ⓒAP/アフロ

ウクライナ戦争 小泉 悠 ちくま新書/数多くのメディアに出演、抜群の人気と信頼を誇る軍事研究者が、世界を一変させた歴史的事件の全貌を伝える待望の書き下ろし! 写真:ウクライナ侵攻を始めるロシア軍(©ロイター/アフロ)
2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し、第二次世界大戦以降最大規模の戦争が始まった。国際世論の非難を浴びながらも、かたくなに「特別軍事作戦」を続けるプーチン、国内にとどまりNATO諸国の支援を受けて徹底抗戦を続けるゼレンシキー。そもそもこの戦争はなぜ始まり、戦場では一体何が起きているのか?
プーチンの野望とはいったい何か?戦場でいま何が起きているのか?核兵器使用の可能性は?第3次世界大戦はあり得るのか?いつ、どうしたら終わるのか?
大戦争は決して歴史の彼方になど過ぎ去っていなかった、というのが今回の戦争の教えるところであろう。テクノロジーの進化や社会の変化によって闘争の方法は様々に「拡張」していく。だが、それは大規模な軍隊同士の暴力闘争という、最も古典的な闘争形態が消えて無くなることを意味していたわけではなかった。(本文より)

お知らせ

新聞

2023.5.29

読売新聞夕刊「ひらづみ!」コーナーにて近藤雄生さんに紹介されました。

新聞

2023.3.11

日経新聞の「ランキング-新書(2月26日~3月4日-名古屋・三省堂書店名古屋本店)」で9位にランクインしました。

新聞

2023.2.4

東京新聞の「ベストセラー-1月31日、トーハン調べ(新書)」で9位にランクインしました。

雑誌

2023.2.3

「週刊金曜日」2/3号にて高原到さんに紹介されました。

雑誌

2023.1.25

「世界の艦船」3月号にて紹介されました。

新聞

2023.1.23

朝日新聞の「週刊ベスト10 三省堂書店全店調べ・新書部門<9~15日>」で4位にランクインしました。

新聞

2023.1.23

東京新聞の「新書ランキング 紀伊國屋書店新宿本店<1月9~15日>」で2位にランクインしました。

雑誌

2023.1.20

「J wings」3月号にて紹介されました。

雑誌

2023.1.11

「J Ships」にて大久保義信さんに紹介されました。

雑誌

2023.1.7

「VERY」2月号に著者インタビューが掲載されました。

新聞

2022.12.24

産経新聞の「週間総合ベストセラー21日・丸善日本橋店調べ」で6位にランクインしました。

新聞

2022.12.24

朝日新聞の「週間ベスト10 丸善丸の内本店調べ・新書部門<8~14日>」で1位にランクインしました。

新聞

2022.12.17

産経新聞「編集者のおすすめ」にて紹介されました。

新聞

2022.12.17

毎日新聞(大阪朝刊)の「ワイドスコープ」で紹介されました。

release

2022.12.9

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目次

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略語表

はじめに

「世界の終わり」を待っていた場所で/舞い戻ってきた大戦争/本書の問いと構成/一当事者としての視点/若干の補足
第1章

2021年春の軍事的危機

2021年1月〜5月

1バイデン政権成立後の米露関係

集結するロシア軍/あっけない幕切れ/トランプ退場に神経を尖らせるロシア/牽制は効いたか?/ウクライナ・ゲート/ナヴァリヌィ・ファクター

2ゼレンシキー政権との関係

コメディアンvsスパイ/シュタインマイヤー方式をめぐって/窮地に立たされるゼレンシキー/メドヴェチュークの政界復帰/ゼレンシキーの焦り

ウクライナ国内のアントノフ工場で会見するゼレンシキー大統領(©AP/アフロ)

ウクライナ国内のアントノフ工場で会見するゼレンシキー大統領(©AP/アフロ)

第2章

開戦前夜

2021年9月〜2022年2月21日

1終わり、そして続き

ロシア軍の再集結/高まる緊張/米国の「情報攻勢」とロシアの「外交攻勢」

2プーチンの野望

グラデーション状の勢力圏/「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」/歴史、主権、「パートナーシップ」/プーチン論文をどう読むか

3整った侵攻準備

公開情報が暴くロシア軍の動き/ベラルーシが前線基地に/非核と中立も放棄

4プーチンのジェットコースター

迷う二人の筆者/プーチンの「ハラショー」/「虐殺」発言と膨れあがるロシア軍/針の筵に座らされるラヴロフ/パワハラ会議

ウクライナ情勢が緊迫するなか、演説するロシアのプーチン大統領(©ロイター/アフロ)

ウクライナ情勢が緊迫するなか、演説するロシアのプーチン大統領(©ロイター/アフロ)

第3章

「特別軍事作戦」

2022年2月24日〜7月

1失敗した短期決戦の目論見

斬首作戦/ロシアが張り巡らせた秘密ネットワーク/「特別軍事作戦」とは何なのか/逃げ出す内通者たち/高慢と偏見/「死ななかった」ゼレンシキー

2ウクライナの抵抗

持ち堪えるウクライナ軍/「聖ジャヴェリン」の加護の下で/ウクライナの「三位一体」/全力を出せないロシア軍

3撤退と停戦

ロシア軍のキーウ撤退/会議は踊る/西側の大規模軍事援助/振り出しに戻った停戦交渉/ブチャ

4東部をめぐる攻防

ロシアによる核の威嚇/「武器が足りない!」/マリウポリの陥落とルハンシクの完全制圧/ロシア軍の成功要因

ウクライナ侵攻を始めるロシア軍(©ロイター/アフロ)

ウクライナ侵攻を始めるロシア軍(©ロイター/アフロ)

第4章

転機を迎える第二次ロシア・ウクライナ戦争

2022年8月〜

1綻びるロシアの戦争指導

軍への不信を強めるプーチン/将軍たちの失脚/情報機関との軋轢

2ウクライナの巻き返し

HIMARSがもたらしたロシアの攻勢限界/ウクライナが与えられるものと与えられないもの/主導権はついにウクライナへ

3動員をめぐって

「我々はまだ何一つ本気を出していない」/プーチンの「ヴァイ……」/ロシアの動員態勢/総動員は本当にできるのか/それでも総動員を発令できないプーチン/部分動員へ

4核使用の可能性

核兵器の使用という賭け/エスカレーション抑止は機能するか/核のメッセージング/効かなかった非核エスカレーション抑止

国連安保理の緊急会合で演説するウクライナのゼレンシキー大統領(©AP/アフロ)

国連安保理の緊急会合で演説するウクライナのゼレンシキー大統領(©AP/アフロ)

第5章

この戦争をどう理解するか

1新しい戦争?

テクノロジーが変えるもの、変えないもの/ Enabler とEnabled /ハイブリッド戦争 ―「戦場の外部」をめぐる戦い/ロシアの「ハイブリッドな戦争」とウクライナの「ハイブリッド戦争」

2ロシアの軍事理論から見た今次戦争

「新型戦争」/「新世代戦争」/プーチン少年の破れた夢/限定全体戦争?

3プーチンの主張を検証する

ウクライナは「ネオナチ国家」か/根拠の薄い大量破壊兵器開発説/ロシアはなぜ北欧を攻撃しないのか/プーチンの野望説とその限界

東部要衝のリマンを奪還したウクライナ軍(©ロイター/アフロ)

東部要衝のリマンを奪還したウクライナ軍(©ロイター/アフロ)

おわりに

「古い戦争」としての第二次ロシア・ウクライナ戦争/逃れられない核の呪縛/主体的な議論の必要性
あとがき ── 小さな名前のために
参考文献
小泉 悠(こいずみ・ゆう)

小泉 悠(こいずみ・ゆう)

1982年千葉県生まれ。早稲田大学社会科学部、同大学院政治学研究科修了。政治学修士。民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所客員研究員を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。専門はロシアの軍事・安全保障。著書に『「帝国」ロシアの地政学──「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年、サントリー学芸賞受賞)、『現代ロシアの軍事戦略』(ちくま新書、2021年)、『ロシア点描』(PHP研究所、2022年)、『ウクライナ戦争の200日』(文春新書、2022年)等。
『ウクライナ戦争』 小泉 悠著

小泉 悠

ウクライナ戦争

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻した。21世紀最大規模の戦争はなぜ起こり、戦場では何が起きているのか?気鋭の軍事研究者が、その全貌を読み解く。

ちくま新書/256頁/定価: 946円(10%税込)/ISBN:978-4-480-07528-4

『現代ロシアの軍事戦略』 小泉 悠著

好評既刊

小泉 悠

現代ロシアの軍事戦略

冷戦後、軍事的にも経済的にも超大国の座から滑り落ちたロシアは、なぜ世界的な大国であり続けられるのか。NATO、旧ソ連諸国、中国、米国を向こうに回し、宇宙、ドローン、サイバー攻撃などの最新の戦略を駆使するロシア。劣勢下の旧超大国は、戦争と平和の隙間を衝くハイブリッドな戦争観を磨き上げて返り咲いた。メディアでも活躍する異能の研究者が、ウクライナ、中東での紛争から極東での軍事演習まで、ロシアの「新しい戦争」を読み解き、未来の世界情勢を占う。

ちくま新書/320頁/定価: 1034円(10%税込)/ISBN:978-4-480-07395-2