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筑摩選書

女教師たちの世界一周

——小公女セーラからブラック・フェミニズムまで

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01740-6

Cコード

0322

整理番号

227

2022/02/15

判型

四六判

ページ数

272

解説

内容紹介

『ジェイン・エア』『赤毛のアン』など、日本で女性たちに読みつがれてきた物語は、主人公が女教師であったり、成長して女教師になるものが多い。あるいは『小公女セーラ』のミンチン先生のように、忘れられない女教師が登場する作品もある。これらの作品に登場する女教師たちは、19世紀イギリスの「女性余り」とフェミニズムを背景に生まれた新しい女たちであり、あるいは彼女たちが大英帝国の一員として植民地に広めた女子教育システムによって生まれた、大英帝国の女教師の娘たちである。
本書では、19世紀イギリスを出発点に、育ちのいいガヴァネス(女家庭教師)が教養を教えるだけだった女子教育が、専門職としての女教師による「男子並みの女子教育」に発展し、その教育を受けた女教師達がイギリスの「進んだ」教育を広めるべく世界中の植民地に進出し、現地で成果と軋轢を生み、その影響が移民の波に乗って現代イギリスに戻るというサイクルを、様々な文芸作品をフックに描く。フェミニズムの担い手としての女教師の姿を描き出すとともに、大英帝国の一員として負うべき責任についても切り込む、フェミニズムの近現代史。

目次

第1章 ミドルクラス女子の生きる道―『ジェイン・エア』と『小公女』(『ジェイン・エア』―女教師とガヴァネス、どちらがましか
『小公女』―ミンチン女学院校長の苦悩)
第2章 帝国の女教師―直轄植民地インドと自治領カナダ(インド―「文明化の使命」の行使先
白人定住地域へ―女校長協会の活躍 ほか)
第3章 バッシング―戦後の混乱のはけ口(反動のはじまり―女子中等教育の完成期
敵視される女教師たち―ドロシー・セイヤーズ『学寮祭の夜』)
第4章 新天地を求めて―アフリカ、西インド植民地のイギリス型女子教育(アフリカ支配地域―女校長協会の植民地進出
ジャマイカ―肌の色と女子教育 ほか)
第5章 「ブラック女教師」の誕生―植民地教育を受けた子どもたちの来英(ウィンドラッシュ世代―「必要とされてやってきた人々」の苦闘
ベヴァリー・ブライアン―知られざる「ブラック女教師」の物語)

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