藤原聖子
( ふじわら・さとこ )藤原 聖子(ふじわら・さとこ):東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は比較宗教学。著書『世界の教科書でよむ〈宗教〉』(ちくまプリマー新書、2011 年)、『ポスト多文化主義教育が描く宗教』(岩波書店、2017年)、『宗教と過激思想』(中公新書、2021年)など。
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「日本人は無宗教だ」とする言説は明治初期から、しかもreligionの訳語としての「宗教」という言葉が定着する前から存在していた。「日本人は無宗教だから、大切な〇〇が欠けている」という〝欠落説〟が主だったのが、一九六〇年代になると「日本人は実は無宗教ではない」「無宗教だと思っていたものは〝日本教〟のことだった」「自然と共生する独自の宗教伝統があるのだ」との説が拡大。言説分析の手法により、宗教をめぐる日本人のアイデンティティ意識の変遷を解明する、裏側から見た近現代宗教史。
第1章 無宗教だと文明化に影響?―幕末?明治期
第2章 無宗教だと国力低下?―大正?昭和初期
第3章 無宗教だと残虐に?―終戦直後?一九五〇年代
第4章 実は無宗教ではない?―一九六〇?七〇年代
第5章 「無宗教じゃないなら何?」から「私、宗教には関係ありません」に―一九八〇?九〇年代
第6章 「無宗教の方が平和」から「無宗教川柳」まで―二〇〇〇?二〇二〇年
2023年5月15日発行の藤原聖子編著『日本人無宗教説』(筑摩選書)第1刷に、
編集上のミスによる誤りがございます。お詫びとともに訂正いたします。
P.27 最終行
【誤】『米欧回覧記』
【正】『米欧回覧実記』
P.45 図版キャプション
【誤】宗教画の風刺画
【正】宗教家の風刺画
P.47 図版キャプション
【誤】キリスト教国と「文明」的戦闘を表す風刺画。
【正】キリスト教国との「文明」的戦闘を表す風刺画。
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