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ちくま新書

日本の「哲学」を読み解く

定価

748

(10%税込)
ISBN

978-4-480-05869-0

Cコード

0210

整理番号

269

2000/11/20

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

はたして、日本に独創的な哲学など存在したのであろうか。明治以降、西洋思想の輸入に明け暮れていた日本。しかし世界恐慌を機に、模範としていた西洋近代の諸理念が崩れていった一九三〇年代、日本でも初めて独自の哲学が生み出されていく。それは、いかなる形而上学原理をも前提としない「無」の哲学であった。そこには、すべての価値観が色あせた時代にあっても、なお「生きた力」となりうるものが潜んでいるのではなかろうか。西田幾多郎・和辻哲郎・九鬼周造・三木清ら、日本の哲学山脈を形づくった四人の思想をわかりやすく解説し、現代を生きぬく知恵を探る。

目次

第1章 西田幾多郎―「無」の哲学の創成(最も確実な知識を求めて
創造的自己としての「自覚」
意識の根底にある「無の場所」 ほか)
第2章 和辻哲郎―「間柄」の底にある「空」の運動(美と倫理の間
人間存在と「空」
否定の運動 ほか)
第3章 九鬼周造―「無」としての「偶然性」(出会いと別れ
「いき」の倫理学
「偶然性」への問い ほか)
第4章 三木清―「虚無」からの形成(「中間者」としての人間
「闇」としての「基礎経験」
歴史を作りだすもの ほか)

著作者プロフィール

田中久文

( たなか・きゅうぶん )

1952年生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院博士課程修了。日本大学教授をへて、現在、日本女子大学人間社会学部教授。文学博士。専門は倫理学・日本思想史・日本文化論。日本の近代哲学を伝統思想との関連のなかで読み解き、現代の倫理学的課題に生かそうと試みている。主な著書に『九鬼周造――偶然と自然』(ぺりかん社、第一回中村元賞受賞)、『丸山眞男を読みなおす』(講談社選書メチエ)、『日本美を哲学するあはれ・幽玄・さび・いき』(青土社)などがある。

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