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ちくま新書

ミシェル・フーコー

——近代を裏から読む

「入門書」で 感動したこと、 ありますか?

社会の隅々にまで浸透した「権力」の成り立ちを問い、常識的なものの見方に根底から揺さぶりをかけるフーコー。その思想の魅力と強靭さをとらえる革命的入門書!

定価

1,012

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06627-5

Cコード

0210

整理番号

922

2011/09/05

判型

新書判

ページ数

272

解説

内容紹介

フーコーは、私たちが自明視する世界のありようを、全く違ったしかたで見せる。「価値を変えろ!」と迫るその思想の核心に、どうすればたどり着けるのか?本書は、最高傑作『監獄の誕生』を糸口にフーコーの全貌に迫ることで、その思考の強靱さと魅力と、それを支える方法とを、深く広く、生き生きと描き出す。正常と異常の区分を生み出す「知」の体系と結びつき、巧妙に作用する「権力」。そうした秩序が社会の隅々にまで浸透する近現代を、フーコーはどう描き、その先に何を見定めたのか。魂を揺さぶる革命的入門書。

目次

はじめに

Ⅰ フーコーの世界へ
第1章 価値を変えろ!
第2章 フーコーはなぜ「監獄」を選んだのか

Ⅱ 身体刑とその批判
第3章 『監獄の誕生』はそれほど突飛な書物ではない
第4章 身体刑は変則的でも野蛮でもない
第5章 啓蒙主義者は旧体制の何を批判したのか

Ⅲ 規律権力
第6章 啓蒙主義か規律か
第7章 空っぽの頭と自動機械
第8章 規律はどこから来たのか ── フーコーの系譜学

Ⅳ 近代国家と統治
第9章 規律、ポリス、近代国家 ── 「知」から近代を見る
第10章 国家理性について
第11章 非常事態の政治か、日常の政治か ── 主権と生権力を考える

Ⅴ 監獄ふたたび
第12章 監獄の失敗は何の役に立っているのか
第13章 冷血でも熱血でもなく ── 監獄情報グループ
終章 フーコーのリアルと、彼をつかまえにゆく方法


参考文献(付 読書案内)
あとがき

著作者プロフィール

重田園江

( おもだ・そのえ )

1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。著書に『フーコーの穴』(木鐸社)、『ミシェル・フーコー』、『社会契約論』、『ホモ・エコノミクス』(以上、ちくま新書)、『連帯の哲学Ⅰ』、『統治の抗争史』(以上、勁草書房)、『隔たりと政治』、『フーコーの風向き』(以上、青土社)、『真理の語り手』(白水社)などがある。

この本への感想

農家です。原理的有機農業派が化学物質や人工的なものを徹底的に忌避、糾弾するのにも辟易し、慣行ビジネス経営派が不浄な有機物や「雑菌」を忌避、糾弾するのにもうんざり。
なんだこの中途半端なもやもやは?
というようなときにこの本を読みました。
どちらの派でも、正しい道徳的な食べ物はこれなんだよ、と指し示されるとき、その裏に潜む視えにくいメカニズムの一端を解読するヒントが与えられたような気がします。

一回り上の世代のわかりにくい「よみ」を押し付けられてきた自分にとってフーコー関連では真っ先に読みたかった一冊。今の若い人が羨ましいなあ。

素敵な1冊をありがとう。
もういちど原書を開く勇気がわいてきました。

パプリカ農家

さん
update: 2011/09/20

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