重田園江
( おもだ・そのえ )1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。著書に『フーコーの穴』(木鐸社)、『ミシェル・フーコー』、『社会契約論』、『ホモ・エコノミクス』(以上、ちくま新書)、『連帯の哲学Ⅰ』、『統治の抗争史』(以上、勁草書房)、『隔たりと政治』、『フーコーの風向き』(以上、青土社)、『真理の語り手』(白水社)などがある。
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フーコーは、私たちが自明視する世界のありようを、全く違ったしかたで見せる。「価値を変えろ!」と迫るその思想の核心に、どうすればたどり着けるのか?本書は、最高傑作『監獄の誕生』を糸口にフーコーの全貌に迫ることで、その思考の強靱さと魅力と、それを支える方法とを、深く広く、生き生きと描き出す。正常と異常の区分を生み出す「知」の体系と結びつき、巧妙に作用する「権力」。そうした秩序が社会の隅々にまで浸透する近現代を、フーコーはどう描き、その先に何を見定めたのか。魂を揺さぶる革命的入門書。
はじめに
Ⅰ フーコーの世界へ
第1章 価値を変えろ!
第2章 フーコーはなぜ「監獄」を選んだのか
Ⅱ 身体刑とその批判
第3章 『監獄の誕生』はそれほど突飛な書物ではない
第4章 身体刑は変則的でも野蛮でもない
第5章 啓蒙主義者は旧体制の何を批判したのか
Ⅲ 規律権力
第6章 啓蒙主義か規律か
第7章 空っぽの頭と自動機械
第8章 規律はどこから来たのか ── フーコーの系譜学
Ⅳ 近代国家と統治
第9章 規律、ポリス、近代国家 ── 「知」から近代を見る
第10章 国家理性について
第11章 非常事態の政治か、日常の政治か ── 主権と生権力を考える
Ⅴ 監獄ふたたび
第12章 監獄の失敗は何の役に立っているのか
第13章 冷血でも熱血でもなく ── 監獄情報グループ
終章 フーコーのリアルと、彼をつかまえにゆく方法
注
参考文献(付 読書案内)
あとがき
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