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ちくま新書

限界集落の真実

——過疎の村は消えるか?

消滅しそうな集落など いったいどこにあるのか?

「限界集落はどこも消滅寸前」は嘘である。危機を煽り立てるだけの報道や、カネによる解決に終始する政府の過疎対策の誤りを正し、真の地域再生とは何かを考える。

生協総研賞・研究賞

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06648-0

Cコード

0231

整理番号

941

2012/01/05

判型

新書判

ページ数

288

解説

内容紹介

高齢化が進み、いずれ消滅に至るとされる「限界集落」。だが危機を煽る報道がなされているのに、実際に消滅したむらはほとんどない。そこには逆に「限界集落」という名付けをしたことによる自己予言成就―ありもしない危機が実際に起きる―という罠すら潜んでいる。カネの次元、ハードをいかに整備するかに問題を矮小化してきた、これまでの過疎対策の責任は重い。ソフトの問題、とりわけ世代間継承や家族の問題を見据え、真に持続可能な豊かな日本の地域社会を構想する。

目次

序 むらは消えるか―東日本大震災を経て
第1章 つくられた限界集落問題
第2章 全国の過疎地域を歩く
第3章 世代間の地域住み分け―効率性か、安定性か
第4章 集落発の取り組み
第5章 変動する社会、適応する家族
第6章 集落再生プログラム

著作者プロフィール

山下祐介

( やました・ゆうすけ )

1969年生まれ。九州大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程中退。弘前大学准教授などを経て、現在、首都大学東京准教授。専攻は地域社会学、環境社会学。著書『限界集落の真実』『東北発の震災論』『地方消滅の罠』(以上、ちくま新書)、『人間なき復興』『「原発避難」論』(以上、共編著、明石書店)、『リスク・コミュニティ論』(弘文堂)、『災害都市の研究』(共著、九州大学出版会)、『震災ボランティアの社会学』(共著、ミネルヴァ書房)、『白神学(1~3巻)』(編著、ブナの里白神公社)など。『津軽学』(津軽を学ぶ会)の運動にも参加。

この本への感想


 「限界集落」が話題になった2007年。「限界集落」は消滅する危機に瀕しているとのみ喧伝された。どうにかしなければと心ある人々は憂慮した。
 現在、2012年。「限界集落」の「流行」から5年後。「限界集落」はどうなったか?懸念通り消滅したか?その実態は?
 本書は『限界集落の真実』である。結論からいえば、「限界集落」は2007年の時点で、消滅する危機に瀕していると懸念されてはいたが、ところがどっこい生き残っている。もちろん、限界集落の限界は肌で感じながら、である。
「限界集落」の生き残り方は実に多様である。本書は「限界集落」が流行語化した5年後の現在、「限界集落」は存在し続けていることをデータをもとに証明し、かつ、そのサヴァイヴァルの類型化の提出に成功している。
 本書一冊で「限界集落」の現在が概観できる好著。
 

無名希望

さん
update: 2012/01/15

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