ちくま新書
歴史学はこう考える
松沢裕作
著
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レイシズムとは何か。一番簡単に答えるとすれば、人種差別や民族差別のことだ。このような差別としてのレイシズムは1965年国連でつくられた人種差別撤廃条約(2019年8月現在181カ国締結)で禁止され、戦後の国際社会では不法な犯罪行為となっているが、それは様々な形で根付いている。たとえば、第二次世界大戦以降、ホロコーストなどの例により生物学的なレイシズムは禁止されていったが、たとえば黒人は怠けやすいなどといった文化的なレイシズムはいまだに存在している。
本企画では、日本ではまだ耳慣れないレイシズムがどのような力学で発展し、何を引き起こすのか、外国の事例から日本の事例までみていくことで、その問題点を探っていく。
第1章 レイシズムの歴史―博物学から科学的レイシズムへ
第2章 レイシズムとは何か―生きるべきものと死ぬべきものとを分けるもの
第3章 偏見からジェノサイドへ―レイシズムの行為
第4章 反レイシズムという歯止め
第5章 一九五二年体制―政策無きレイシズム政策を実施できる日本独自の法
第6章 日本のレイシズムはいかに暴力に加担したのか
第7章 ナショナリズムとレイシズムを切り離す
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