山竹伸二
( やまたけ・しんじ )1965年生まれ。著述家。学術系出版社の編集者を経て、現在、哲学・心理学の分野で批評活動を展開。大阪経済法科大学客員研究員。著書『「認められたい」の正体』(講談社現代新書)、『不安時代を生きる哲学』(朝日新聞出版)、『「本当の自分」の現象学』(NHKブックス)など。
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豊かになればなるほど、不安が増すという矛盾が現代社会を覆っている。承認欲求がそうした不安を募らせているのだ。価値観が多様化し、自らの人生、思考、行為の自由な選択が可能になったため、どうすれば認められるのかがわからない、また自由に行動すれば認められないかもしれない、という「自由と承認の葛藤」にともなう不安が生じるようになった。承認不安の分析を、包括的に展開し、また幼児期から青年期への成長過程についてだけでなく、今回は老年期に至るまでのライフサイクルの中でとらえ直す。子育て・保育から高齢者の介護、障害者支援などのさまざまな局面で、これから不可欠とされる地域包括ケアシステムなど多様な場に応じて、保育・教育・看護・介護が連携して心理療法に基づく「相互ケア」を実現していくための処方箋を描く。
1 「認められたい」欲望の正体(なぜ「認められたい」のか?―承認欲望の現象学
「認められたい」欲望の形成―幼児から高齢者まで)
2 自由な心を蝕む「認められたい」不安(承認不安が生む心の病
承認不安を緩和し、心の病を癒す方法)
3 「認められたい」を認め合う社会(「認められたい」社会
自由に生きるための条件とケアの原理)
相互ケア社会の未来
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