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ちくま新書

持統天皇と男系継承の起源

——古代王朝の謎を解く

定価

1,012

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07398-3

Cコード

0221

整理番号

1570

2021/05/06

判型

新書判

ページ数

304

解説

内容紹介

歴代天皇について「男系継承が古来例外なく維持されてきた」という男系論者の主張は、古代史を紐解けばたちまち疑問符がつく。天皇家の祖先神は女神アマテラスであり、その子孫である天皇は女系で始まったのでは? 皇祖神が女性ならば、そもそも皇室が女系天皇を排除することはないのでは? 古代における皇室は男系・女系が入りまじって受け継がれる双系からはじまったと思われるのに、その後、なぜ「男系」天皇ばかりになったのか? ……等々、疑問は尽きない。
数々の謎を解くのに本書が注目するのは、古代の女帝・持統天皇である。天皇を権威づけるための天孫降臨神話、血脈で継承されるシステムを創出し、伊勢神宮の遷宮制によって更新の思想も埋め込んだ。しかし血脈で継承する天皇制は、持統後の朝廷で藤原氏の思惑により男系継承にすり替わる。神話や宮都、建築物などの考察を手掛かりに、古代史の謎を分かりやすく解きほぐし、「女性天皇」の本質を問いなおす。

目次

プロローグ―アマテラスと「男系」の溝
第1章 女性を始祖とする王朝への五つの視点
第2章 神話と結びつく“持統王朝”
第3章 天皇制の礎―恒久の都と更新の思想をつくる
幕間 世襲王権はいつから、そしてどのように?
第4章 平城京遷都は「男系」継承への道
第5章 「男系」継承の樹立と“持統王朝”の終わり
エピローグ―「黒作懸佩刀」の話はどこまでほんとうなのか?

著作者プロフィール

武澤秀一

( たけざわ・しゅういち )

武澤 秀一(たけざわ・しゅういち):1947年生まれ。建築家/博士(工学・東京大学)。東京大学工学部建築学科卒業。同大学院工学研究科修士課程(建築学専攻)中退、同大学助手。その後、設計事務所を主宰。神社仏閣などの建築空間を通しての日本人の心のありようの探究がライフワーク。著書『持統天皇と男系継承の起源』『建築から見た日本古代史』『法隆寺の謎を解く』『伊勢神宮の謎を解く』(以上、ちくま新書)、『神社霊場ルーツをめぐる』(光文社新書)、『マンダラの謎を解く』(講談社現代新書)など。

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