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定価

1,210

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07428-7

Cコード

0236

整理番号

1612

2021/11/08

判型

新書判

ページ数

368

解説

内容紹介

われわれの社会は人々に「能力」の問題をたえず突きつける。そもそも、能力とは何なのか。本書は、能力は実質に支えられた概念ではなく、格差を正当化するために持ち出される架空の社会装置であると説く。つまり、能力と格差は因果関係で結ばれていないというテーゼを打ち出すものだ。能力をめぐっては、それを規定するものとして遺伝か環境かという論争がある。人格や能力が遺伝で決まり、どんな教育を施しても変えられないならば、劣悪な人間にはそれに見合った生活を強いて構わない。内因ならば、自己責任だからだ。逆に、社会環境が格差の原因ならば、教育を施して改善する必要がある。だが、遺伝・環境論争は出発点で既に躓いている。遺伝も環境も当人に制御不可能な外因だからだ。ならば、能力に応じて生ずる貧富の差をどう捉えるべきか。メリトクラシーは公正な競争原理として機能するのか。法の下の平等という理念は本当に正しいのか。これが本書の問いである。格差の問いは普遍的価値をはじめとする、より広い問題群に連なる。悲観的な分析がなされた後で、未来につながる道をどう見つけられるか。偶然の持つ積極的意義を提示することで本書は締め括られる。

目次

序章 格差の何が問題なのか
第1章 学校制度の隠された機能
第2章 遺伝・環境論争の正体
第3章 行動遺伝学の実像
第4章 平等の蜃気楼
第5章 格差の存在理由
第6章 人の絆
第7章 主体という虚構
終章 偶然が運ぶ希望

著作者プロフィール

小坂井敏晶

( こざかい・としあき )

小坂井敏晶(こざかい・としあき):1956年愛知県生まれ。1994年フランス国立社会科学高等研究院修了。現在、パリ第八大学心理学部准教授。著者に『増補 民族という虚構』『増補 責任という虚構』(ちくま学芸文庫)、『人が人を裁くということ』(岩波新書)、?w社会心理学講義』(筑摩選書)、『答えのない世界を生きる』(祥伝社)、『神の亡霊』(東京大学出版会)など。

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