栗田路子
( くりた・みちこ )ベルギー在住ライター・ジャーナリスト。人権、医療、環境、EU事情などで発信。共著書『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』(光文社新書)の筆頭著者。
loading...
夫婦別姓制度の導入について、30年越しの議論が続いているが、国会での具体的な法制化は未だ実を結んでいない。女性の社会進出と活躍、離婚の増加等、時代の変化によって家族のあり方も多様化しているのに、夫婦同姓を前提とする日本の結婚制度は100年前のままだ。いわば「わきまえる女」を前提とした古ささえ感じられる現行の制度は、社会の変化に合わせた刷新が望まれる。夫婦同姓が法律で強制されているのは今や日本のみで、世界には夫婦別姓の選択肢がある国ばかりだ。本書では欧米(英国、米国、ドイツ、フランス、ベルギー)とアジア(中国、韓国)の7カ国を取り上げ、それぞれの国で実体験を持つ筆者たちが、歴史や法律を繙きながら、姓と婚姻、家族についての様々な例を、今日の実情や課題まで含めて提示し、「選べる」社会のヒントを探る。そして日本で、未だに法案審議の進まない立法府、合憲判断を繰り返している法曹界、当事者の立場を知るはずの経済界のキーパーソンを招き、具体的な実現へ向けて、何が突破口の鍵となり得るか、率直に議論したい。誰にとっても生きやすい、日本にとってより良き選択的夫婦別姓制度を設計するための基本の一冊をめざす。
第1部 結婚と姓―各国の事情(英国 すべての人に「生きたい名前で生きる自由」を
フランス 多様なカップルの在り方が少子化に終止符
ドイツ 別姓が開く女性活躍の道
ベルギー 家族の姓はバラバラが「普通」
米国 慣習を破り姓を選ぶ自由を実現
中国 姓は孤立から独立へ、モザイク模様の大国
韓国 戸籍制度を破棄した、絶対的夫婦別姓の国)
第2部 「選べる」社会の実現に向けて(座談会 日本 別姓がなぜ必要なのか、どうしたら実現できるか)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。