八木澤高明
( やぎさわ・たかあき )1972年神奈川県横浜市生まれ。ノンフィクションライター。写真週刊誌カメラマンを経てフリーランスに。『マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅』で第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。著書に『黄金町マリア――横浜黄金町 路上の娼婦たち』(亜紀書房)『花電車芸人』『娼婦たちは見た』(KADOKAWA新書)『日本殺人巡礼』『青線 売春の記憶を刻む旅』(集英社文庫)などがある。
loading...
横浜というと、みなとみらい、山下公園、元町とカップルが行き交い、洒落た街というイメージがある。休日には中華街に向かう観光客などでにぎわう。そんな素晴らしい横浜ではあるのだが、その歴史は決して華やかなものではない。ほんの10数年ほど前まで、まだ猥雑な空気が漂い、様々な負い目をもった人たちがその街では生活していたのである。そのような横浜の裏の一面とでもいえる過去を白日のもとにさらすのが本書である。関内駅を降りて少し歩くと、横浜スタジアムが見えてくる。その横には彼我公園という公園がある。ここは、外国人と日本人が共同で使用する公園であったことからこのような名前がつけられたのだが、この公園があった場所には港町遊廓という遊郭があった。横浜港が開港され、押し寄せてきた外国人がここを利用していたという話もある。このような横浜の裏面にひかりをあたる。
第1章 横浜スタジアムの足元
第2章 海上の楼閣―山下公園、みなとみらい
第3章 消えた大陸の空気―中華街
第4章 日の当たらない人の居場所―黄金町
第5章 デラシネのゆりかご―寿町
第6章 世界との架け橋―鶴見
第7章 高低が織りなす風景―山手、元町、その周縁
第8章 夜の街に吸い寄せられる―伊勢佐木町
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。