寺西貞弘
（ てらにし・さだひろ ）寺西 貞弘（てらにし・さだひろ）：1953年生まれ。元和歌山市立博物館館長。関西大学大学院博士課程後期課程満期退学。文学博士。著書『古代天皇制史論――皇位継承と天武朝の皇室』（創元社、1988年）、『古代熊野の史的研究』（塙書房、2004年）、『紀氏の研究』（雄山閣、2013年）、『天武天皇』（ちくま新書、2023年）、『古代史講義【氏族篇】』（共著、ちくま新書、2021年）など。
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内容紹介
大友皇子と皇位を争った壬申の乱に勝利し即位した天武天皇。その生涯について歴史学者の間で論争が戦わされてきた。まず謎に包まれた前半生について、兄の天智天皇との関係はどうだったのか。天武・持統両帝の死後成立した日本書紀は天武天皇に厳しい評価を下しているのはなぜか。それは持統天皇が即位して藤原不比等（天武の敵・天智天皇の重臣中臣鎌足の息子）を持統天皇が重用したことと関係があると見る著者は、天武天皇の敷いた「皇親政治」（天皇と皇親〔皇族〕を主体とする政治体制）は、従来の歴史学で強調されてきたような確立した権力によるものではないと主張。最新研究成果に照らして天武天皇の生涯を再検討し、古代天皇研究のあり方についても一石を投じる。
目次
序章 本書の構成と課題
１ 生涯（天武天皇の前半生
天武天皇の時代）
２ 皇親政治（天武朝の皇親たち
天武朝政治の担い手たち
皇親政治の本質）
３ 律令制度の導入（天武朝の政治組織
天武天皇と律令国家
天武天皇と仏教政策）
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