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ちくま新書

安楽死が合法の国で起こっていること

終末期の人や重度障害者への思いやりからの声がある一方、医療費削減を公言してはばからない日本の政治家やインフルエンサー。では、安楽死先進国の実状とは。

定価

1,034

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07577-2

Cコード

0236

整理番号

1759

2023/11/07

判型

新書判

ページ数

288

解説

内容紹介

終末期医療の辛さ、介護疲れへの同情の声がある一方、医療費削減を公言してはばからない政治家やインフルエンサー。安楽死が合法化された国の驚くべき実態とは。

<b>揺らぐ基準、拡大する対象者
「安楽死先進国」の実状とは</b>
・末期とはいえない患者に安楽死を提案する医療職
・福祉サービスが受けられず安楽死を選択する障害者
・安楽死の数分後に臓器を摘出

日本にも、終末期の人や重度障害者への思いやりとして安楽死を合法化しようという声がある一方、医療費削減という目的を公言してはばからない政治家やインフルエンサーがいる。「死の自己決定権」が認められるとどうなるのか。「安楽死先進国」の実状をみれば、シミュレートできる。各国で安楽死者は増加の一途、拡大していく対象者像、合法化後に緩和される手続き要件、安楽死を「日常化」していく医療現場、安楽死を「偽装」する医師、「無益」として一方的に中止される生命維持……などに加え、世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や日本の実状を紹介する。

===

目次

序章 「安楽死」について
第1部 安楽死が合法化された国で起こっていること(安楽死「先進国」の実状
気がかりな「すべり坂」―線引きは動く)
第2部 「無益な治療」論により起こっていること(「無益な治療」論
コロナ禍で拡散した「無益な患者」論)
第3部 苦しみ揺らぐ人と家族に医療が寄り添うということ(重い障害のある人の親の体験から医療職との「溝」を考える
安楽死の議論における家族を考える)
終章 「大きな絵」を見据えつつ「小さな物語」を分かち合う

著作者プロフィール

児玉真美

( こだま・まみ )

児玉真美(こだま・まみ):1956年生まれ。一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事。京都大学文学部卒。カンザス大学教育学部でマスター取得。英語教員を経て著述家。最近の著書に、『増補新版 コロナ禍で障害のある子をもつ親たちが体験していること』(編著)、『殺す親 殺させられる親――重い障害のある人の親の立場で考える尊厳死・意思決定・地域移行』(以上、生活書院)、 『〈反延命〉主義の時代――安楽死・透析中止・トリアージ』(共著、現代書館) 、『見捨てられる〈いのち〉を考える――京都ALS嘱託殺人と人工呼吸器トリアージから』(共著、晶文社) 、 『私たちはふつうに老いることができない――高齢化する障害者家族』 『死の自己決定権のゆくえ――尊厳死・「無益な治療」論・臓器移植』 (以上、大月書店)など多数。

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