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ちくま新書

歴史学はこう考える

歴史の解像度があがる!

史料とは何か? 解釈が複数になるのはなぜ? 安易な議論に振り回されないために、歴史家が築いてきたこれらの理屈を学べば、歴史の解像度がもっとあがる!

定価

1,034

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07640-3

Cコード

0221

整理番号

1815

2024/09/09

判型

新書判

ページ数

288

解説

内容紹介

史料の山に埋もれ、ひたすら解読している? 過去の出来事の是非を論争する? このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかしたいのは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。

目次

はじめに――歴史家は何をしているのか

第一章 歴史家にとって「史料」とは何か
1 根拠としての史料
2 記録を残す
3 記録を使う
4 歴史学と文書館

第二章 史料はどのように読めているか
1 史料の引用と敷衍――史料批判の前に
2 逓信次官照会を読む――「史料があること」が「何かがおこなわれたこと」を示す場合
3 新聞記事を読む――史料に書いてあることをどの程度疑うか
4 御成敗式目を読む――史料の書き手と歴史家の距離

第三章 論文はどのように組み立てられているか(1)―― 政治史の論文の例
1 歴史学の論文と歴史研究の諸分野
2 政治史の叙述――高橋秀直「征韓論政変の政治過程」
3 政治史叙述の条件

第四章 論文はどのように組み立てられているか(2)――経済史の論文の例
1 マルクス主義的経済史
2 経済史の叙述――石井寛治「座繰製糸業の発展過程」

第五章 論文はどのように組み立てられているか(3) ―― 社会史の論文の例
1 社会史のなかの運動史
2 社会史の叙述―― 鶴巻孝雄「民衆運動の社会的願望」

第六章 上からの近代・下からの近代 ―― 「歴史についての考え方」の一例
1 歴史についての考え方と時代区分
2 「近代」、このやっかいなもの
3  歴史研究との向き合い方

著作者プロフィール

松沢裕作

( まつざわ・ゆうさく )

松沢 裕作(まつざわ・ゆうさく):1976年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退.博士(文学)。東京大学史料編纂所助手・助教、専修大学経済学部准教授をへて、慶應義塾大学経済学部教授。専門は日本近代史、史学史。著書に『明治地方自治体制の起源』(東京大学出版会)、『重野安繹と久米邦武』(山川出版社)、『自由民権運動』(岩波新書)、『日本近代村落の起源』(岩波書店)、『日本近・現代史研究入門』(岩波書店、共編)などがある。

メディア情報

スペシャルコンテンツ

『歴史学はこう考える』(ちくま新書)
著者の松沢裕作さんインタビュー
インタビューの内容は以下からお読みいただけます。

「なにが歴史的事実かという議論になると、限りない泥沼に陥っていく」 慶應大教授に聞く、歴史学のプロセスとその意義 | リアルサウンド ブック
 慶應大教授に聞く、歴史学のプロセス

寄せられたコメント

これは面白い!歴史研究者が論文を書くときに何をしているのか。史料の読み方・引き方や論の運び方を、日本近代政治史・経済史・社会史の論文を例に丁寧に追っていく。研究者が無意識にやってて言語化しにくいことがここまで鮮明になるとは!
──

中公新書『南北朝時代』著者

会田大輔

さん
『歴史学はこう考える』は,控えめに言って今年読んだ新書の中で… 一番面白かったです! 一番面白かったです! 一番面白かったです! 本書は「まともに言葉を交わし合う」ために準備されたそうですが,本当にその通りの内容になっておりますのでSNSのユーザーの必読書ですよ
──

古代ギリシャのヘルメス @kodaigirisyano

さん

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