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ちくま新書

細胞を間近で見たらすごかった

——奇跡のようなからだの仕組み

前代未聞の人体ツアーへレッツゴー!

人体の中では何が起こっているのか? 一目瞭然のイラストと絶妙な比喩満載で楽しくご案内。「生きてる」を支える「すごい細胞たち」に驚きと感動の連続です!!

定価

1,012

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07716-5

Cコード

0247

整理番号

1886

2025/11/06

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

人体の中では何が起こっているのか?

一目瞭然のイラスト(←全部著者が描いた!!)と
分かりやすい比喩の説明で
楽しく「からだの中」をガイドします!

本書は、食べ物や空気やバイキンとともにからだの内側を巡り、
私たちが「生きてる」仕組みを支えている
「すごすぎる細胞たち」に会いに行きます。
病理医の著者自ら描いた解説イラスト満載で、
ふだんは見えない世界も一目瞭然! 

細胞を基本パーツとすると、人体というビルディングは
「細胞→組織→臓器→器官→人体」の五段階構造。
栄養がいきわたるように血管の配管工事もばっちり、
細胞の新陳代謝でメンテナンスも緻密
……と分かりやすい比喩が盛りだくさんの、
前代未聞の人体ツアーへレッツゴー!

目次

はじめに──食べもの・空気・バイキンとともに巡るからだ一周旅行

序章 からだツアーの旅じたく
1.つぶつぶしながら増えたり減ったり
2.かわいい形の細胞の部品たち「細胞小器官」
3.まるでビルの工事現場! すべては細胞から
4.「器官」を巡るからだツアー、集合場所は?
5.身体のなかの植物?
コラム1: 細胞からはじまる医学部カリキュラム

第1章 ごっくんからうんちまで「ジェット 消化器ツアー」
1.お口の中のハードとソフト
2.まるでつぼみ!「味蕾」がさき乱れる舌
3.自動制御スプリンクラーの唾液腺たち
4.クロワッサン顔負けの多層な食道粘膜
5.ゴージャスな二階建て構造の胃粘膜
6.脳相? 妄想?
7.十二本の指の長さの十二指腸
8.消化管脇道コースへ!
9.作るのは肝臓、貯めるのは胆嚢
10.花の都、肝臓
11.マルチタレントな肝細胞大公開!
12.小島の浮かぶ腺房大海原、膵臓7
13.水玉でオシャレなリゾート、ランゲルハンス島
14.家を建てられる土地の大きさに匹敵、回腸・空腸
15.危険! 腸に落とし穴?
16.杯を酌み交わす細胞たちと乾杯! 大腸
17.多様性といえば、腸内フローラ
18.お腹の中をぐるり周遊、盲腸と結腸
19.1日数度の肛門筋肉組体操

オプショナルツアー1:自由に動ける「胸腔・腹腔フロアガイド」
私たちの身体は、スーツケース?/うす~く広がる胸膜・腹膜

第2章 吸って吐いて「風かおる 呼吸器ツアー」
1.2つのツアーの入「口」
2.死の交差点、誤嚥というリスク
3.0・5秒間の口腔チームプレー
4.呼吸器ツアーは、左右へ自由行動
5.23回も分岐が! 迷わないで行けるかしら?
6.ふさふさした毛がそよぐ
7.アルプスの少女の友達? クララ細胞
8.肺胞はごく薄製法がウリ!
9.肺胞がのりづけされるCOVID-19肺炎
10.肺胞を破壊するタバコの煙 

オプショナルツアー2:自由に動かせる「骨格筋ワイルドツアー」
内臓の反対語は?/インナーマッスルを鍛えるおしゃべり病理医/しましま模様が特徴の「骨格筋」/骨格筋一つひとつがマッチョになる筋トレ

コラム2: 病気のことわりを知る学問「病理学」

第3章 溜まったら出す「水の都 泌尿器ツアー」
1.男女でだいぶ長さの違う「尿道」
2.伸縮自在の洞窟「膀胱」
3.腎臓と膀胱をつなぐ丈夫なチューブ「尿管」
4.左右の大きな万能ソラマメ「腎臓」
5.急降下と急上昇を繰り返す、絶叫コースター「腎臓の機能単位:ネフロン」
6.ミクロな未開拓地球「糸球体」
7.絶叫コースターの主経路、尿細管

オプショナルツアー3:産毛の生える平原「皮膚ガイド」
私という存在をまるっと包む人体最大の臓器「皮膚」/皮膚、そのテッペキの構造/平原の一部にふたつの丘が!「乳腺のひみつ・序章」

コラム3: もうひとりの主治医「病理医」

第4章 ドライブしませんか?「からだ交通網、循環器ツアー」
1.壊れたパイプの修復方法
2.全身を周遊する流れるプール
3.ドキドキの力はどこから?
4.4つの部屋と扉、戸締りが重要
5.エレキな心臓、漏電や断線に要注意
6.錆びる動脈
7.血管建築のポイントは太さと構造
8. 血液ダダ漏れ? 穴ぼこだらけの血管もある?
9.もうひとつの交通網、リンパ管

オプショナルツアー4:ふたこぶの美しい丘「ときめき乳腺ガイド」
母乳をつくるぶどうの房?/伸縮自在のぶどうの実?

第5章 これぞサバイバルツアー「免疫サファリパーク」
1.どんなバイキンで旅します?
2.たくさんの白血球
3.食べたら死んじゃう好中球
4.食べても死なないマクロファージ
5.フットワークの軽いもうひとりの食細胞「樹状細胞」
6.樹状細胞とヘルパーT細胞、素敵な出会い
7.お互い励まし合う免疫担当細胞たち
8.緊急事態! ウイルスがやってきた!!
9.ナチュラルに殺し屋(!)の細胞
10.樹状細胞、再び走る
11.細胞の名札と名札フォルダー
12.なんとか無事帰還!?

オプショナルツアー5:これぞ秘境!「脳と脊髄、からだ遺産ツアー」
やり取りされている情報量はネットの比じゃないぞ!/全身に張り巡らされた情報ネットワーク/シナプスでつながる個性豊かな神経細胞たち

コラム4: かたちとストーリー、見立てと病理診断

オプショナルツアー6:精鋭部隊で構成される「内分泌株式会社ガイド」

第6章 どちらがお好き?「ハネムーン 生殖器ツアー」
1.【女性ツアー】訪れる旅に表情の変わる楽園へ!
2.【女性ツアー】酸性雨の降るトンネル?
3.【女性ツアー】トンネルを出るとそこは子宮頸管だった
4.【女性ツアー】子宮体部には、“内膜床暖房”完備!
5.【女性ツアー】ジュディ・オングの腕のような卵管
6.【女性ツアー】100万分の1の人材になれ!
7.【男性ツアー】避暑地にぴったり!
8.【男性ツアー】トロピカルな海?
9.【男性ツアー】過酷なレースコース
10.【男性ツアー】からだの軽井沢?

オプショナルツアー7:骨の髄までわかる、からだ通のための「造血器ツアー」
赤い故郷と黄色い故郷? 骨髄はいずこに?/置かれた環境で人生、いや“血球生”が変わる?/血球たちの墓地?「脾臓」

コラム5: リベラルアーツとしての医学?

おわりに
主要参考文献
索引

著作者プロフィール

小倉加奈子

( おぐら・かなこ )

小倉 加奈子(おぐら・かなこ):順天堂大学医学部人体病理病態学教授、同附属練馬病院病理診断科科長、臨床研修センター副センター長。2002年順天堂大学医学部卒業。2006年同大学院博士課程修了。医学博士、病理専門医、臨床検査専門医。大学病院の日々の診療において、病理診断を担当しながら、研修医・医学生の指導にあたる。同時に、故・松岡正剛氏のイシス編集学校で編集コーチ(析匠)を務め、編集工学のメソッドを医学でも活用すべく、順天堂大学STEAM 教育研究会「MEditLab」を主宰し、医学を身近に感じてもらう様々なプロジェクトを企画。著書に『おしゃべりながんの図鑑』『おしゃべり病理医のカラダと病気の図鑑』(以上、CCCメディアハウス)。趣味はお絵描きと読書。モットーは、ちゃっかり・ついで・おせっかい。

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