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ちくま学芸文庫

日本文学史序説 (上)

日本文学の特徴、その歴史的発展や固有の構造を浮き上がらせて、万葉の時代から源氏・今昔・能・狂言を経て、江戸時代の徂徠や俳諧まで。

日本文学の特徴、その歴史的発展や固有の構造を浮き上がらせて、万葉の時代から源氏・今昔・能・狂言を経て、江戸時代の徂徠や俳諧まで。

定価

1,540

(10%税込)
ISBN

978-4-480-08487-3

Cコード

0195

整理番号

-13-1

1999/04/08

判型

文庫判

ページ数

560

解説

内容紹介

日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。
従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。

◆上巻は、古事記・万葉の時代から、今昔物語・能・狂言を経て、江戸期の徂徠や俳諧まで。

目次

日本文学の特徴について
文学の役割
歴史的発展の型
言語とその表記
社会的背景
世界観的背景
特徴相互の連関について

第1章 『万葉集』の時代
『十七条憲法』から『懐風藻』まで
『古事記』および『日本書紀』
民話と民謡
『万葉集』について

第2章 最初の転換期
大陸文化の「日本化」について
『十住心論』および『日本霊異記』
知識人の文学
『古今集』の美学

第3章 『源氏物語』と『今昔物語』の時代
最初の鎖国時代
文学の制度化
小説的世界の成立
女の日記について
『源氏物語』
『源氏物語』以後
『今昔物語』の世界

第4章 再び転換期
二重政府と文化
仏教の「宗教改革」
禅について
貴族の反応
『平家物語』と『沙石集』

第5章 能と狂言の時代
封建制の時代
禅宗の世俗化
仲間外れの文学
芸術家の独立
能と狂言

第6章 第三の転換期
西洋への接触
初期の徳川政権と知識人
本阿弥光悦とその周辺
大衆の涙と笑い

第7章 元禄文化
「元禄文化」について
宋学の日本化
徂徠の方法
白石の世界
『葉隠』と「曾根崎心中」
俳諧について
町人の理想と現実

著作者プロフィール

加藤周一

( かとう・しゅういち )

1919―2008年。東京生まれ。東京帝国大学医学部卒。早くからヨーロッパ文学や日本の古典文学を読む。戦後、多彩な執筆活動を展開。中村真一郎・福永武彦と『一九四六・文学的考察』『マチネ・ポエティク詩集』などを刊行。その他、『芸術論集』『羊の歌』(正・続)『夕陽妄語』『日本文学史序説』(上・下)『言葉と戦車を見すえて』など多くの著書があり、『加藤周一著作集』(全24巻)に集大成されている。つねに広い視野に立って、文明批評を展開。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学をはじめ、ドイツ、イギリス、アメリカ、スイス、イタリアの大学や、上智大学、立命館大学などで教鞭をとる。2004年、平和憲法擁護の「九条の会」の呼び掛け人となる。

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