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ちくま学芸文庫

新編 分裂病の現象学

木村哲学の原型 人間存在の根底にあるものを問う

現象学的病理学から分裂病患者の特異的な症状に迫り、人間存在における自己意識や時間様態の構造を考察する。処女論文「離人症の現象学」収録。

定価

1,760

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09497-1

Cコード

0110

整理番号

-14-5

2012/12/10

判型

文庫判

ページ数

480

解説

内容紹介

実践的な臨床の経験から、分裂病(統合失調症)を治療すべき異常なものとする論理に与することなく、人間という矛盾に満ちた存在そのものに内在している自己分裂に根差したものとする地平から紡ぎだされた珠玉の初期論文。西田哲学における自‐他論や時間論を敷衍し、分裂病者の自閉性や体験の基本的構造に注目することにより、自我障碍よりも人と人との「あいだ」における自己の自己性の危機、自己と身体との乖離を論じる。

目次

第1章 序論
第2章 ドイツ語圏精神病理学の回顧と現況(戦前のヨーロッパ精神病理学の流れ
ドイツ語圏における精神病理学の現況
ブランケンブルクの「自然な自明性の喪失」について)
第3章 精神分裂病の自覚的現象学(精神分裂病症状の背後にあるもの
プレコックスゲフュールに関する自覚論的考察
精神分裂病の症状論
精神分裂病論への成因論的現象学の寄与
身体と自己―分裂病的身体経験をめぐって
妄想的他者のトポロジィ
分裂病の現象学)
付録 離人症の現象学

著作者プロフィール

木村敏

( きむら・びん )

1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所所長・主任研究員。専攻、精神病理学。著書に『自覚の精神病理』(紀伊國屋書店)、『異常の構造』(講談社現代新書)、『時間と自己』(中公新書)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『関係としての自己』(みすず書房)、『臨床哲学講義』(創元社)、『あいだ』『自己・あいだ・時間』『分裂病と他者』(ちくま学芸文庫)など。訳書多数。1981年にシーボルト賞、1985年にエグネール賞、2003年に和辻哲郎文化賞、2010年に『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)で毎日出版文化賞を受賞。

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