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ちくま文庫

桃色じかけのフィルム

——失われた映画を探せ

昭和30年代後半から、弱小プロの成人指定映画が量産される。ピンク映画である。今や忘れ去られた映画人や作品を追った傑作ルポ。解説 安井喜雄

定価

1,210

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43958-1

Cコード

0174

整理番号

-33-1

2024/06/06

判型

文庫判

ページ数

384

解説

安井喜雄

内容紹介

昭和30年代後半から、弱小プロの成人指定映画が量産される。ピンク映画である。今や忘れ去られた映画人や作品を追った傑作ルポ。解説 安井喜雄

性表現に挑んだ昭和の娯楽映画に迫る傑作ルポ!
都築響一氏推薦!「それは日本列島をピンク色に染めたエロ・パンデミックだった!」

日本映画界が観客動員数激減に直面していた昭和30年代後半から、弱小プロダクション製作の成人指定映画が量産される。所謂「ピンク映画」である。世のヒンシュクを買いながらも、熱気溢れる現場からは山本晋也、若松孝二、高橋伴明、和泉聖治など名監督も生まれている。しかし、その作品の多くが失われてしまった。今や忘れ去られた映画人や作品を追う傑作ルポ。 解説・安井喜雄

目次

はじめに 6
第1章『色じかけ』と芦原しのぶ 亡き妻の面影を追い、辿り着いた奇跡の桃色フィルム
第2章『狂熱の果て』と山際永三 もうひとつのヌーヴェル・ヴァーグ、もうひとつのピンク映画第一号
第3章 旅するフィルム、本木荘二郎の軌跡 『毒ある愛撫』と本木荘二郎のピンク映画時代
第4章 まぼろしの名優・関多加志と本木荘二郎の最期 「ああいう監督は他にはいないよ」「本木荘二郎がいれば……」
第5章 まぼろしの名作『大色魔』と山本晋也の喜劇 失われたフィルモグラフィ、散逸したフィルムたち
第6章 疾走する桃色女王 香取環と若松孝二 『甘い罠』と『引裂れた処女』 発掘されたフィルムたち
第7章 北鎌倉に眠る無頼派アルチザン伝説 佐々木元 日活ロマンポルノ前夜、『肌のもつれ』『悶え狂い』
第8章 天井桟敷の桃色女優 新高恵子 熱演刻む『歪んだ関係』『禁じられた乳房』『雪の涯て』
第9章 温泉場で人気だった16ミリフィルム「温泉ポルノ」の正体 『裸生門』を撮った犯し屋 港雄一
第10章 桃色親子鷹 木俣堯喬と和泉聖治 関西発プロ鷹フィルム 『欲情の河』『狂った牝猫』『亀裂』『裸体の街』
第11章 謎の未公開フィルム『幻日』を追いかけて 美とエロスの改革者 武智鉄二
第12章 革命児たちと女優たち 中村幻児と高橋伴明 『赤い娼婦・突き刺す』『処女失神』『婦女暴行脱走犯』『襲られた女』
あとがき 
解説 安井喜雄(神戸映画資料館館長
巻末資料倉庫

著作者プロフィール

鈴木義昭

( すずき・よしあき )

鈴木 義昭(すずき・よしあき):ルポライター・映画史研究家。1957年、東京都台東区生まれ。白井佳夫編集長解任に始まる「キネマ旬報事件」で竹中労と出会い、18歳より師事する。著書に『ピンク映画水滸伝 その二十年史』(青心社。増補文庫版『ピンク映画水滸伝その誕生と興亡』人間社)『昭和桃色映画館』(社会評論社)『風のアナキスト 竹中労』(現代書館)『夢を吐く絵師 竹中英太郎』(弦書房)『「世界のクロサワ」をプロデュースした男 本木荘二郎』(山川出版社)『仁義なき戦いの"真実"美能幸三 遺した言葉』(サイゾー)『乙女たちが愛した抒情画家 蕗谷虹児』(新評論)などがある。

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