ジョセフ・ラズ
( じょせふ・らず )ジョゼフ・ラズ(Joseph Raz):1939-2022年。ヘブライ大学法学修士、オックスフォード大学博士。オックスフォード大学法哲学教授、コロンビア大学ロー・スクール教授などを歴任。邦訳書に『自由と権利』『権利としての法』(ともに、勁草書房)、『法体系の概念[第2版]』(慶應義塾大学出版会)など。
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現代屈指の法哲学者ジョゼフ・ラズが2000年に行ったケンブリッジ大学シーリー講義の邦訳。「価値の普遍性」という道徳哲学上の中心問題をテーマにするとともに、集団的アイデンティティや尊厳死といった政治哲学・法哲学に通じる具体的論点を扱う。ラズは功利主義に対抗し、価値の比較不能性を前提に、各人がひと・ものに抱く偏頗な愛着が当人なりの価値を構成すると論じる。こうした価値の偏頗さを、価値の普遍性テーゼと調和させるのが本書の眼目である。著者の学問的見解の基礎付けとして重要性をもち、また、当該学問の手触りを知るためにも格好の書となっている。
第1章 愛着と唯一性(純粋性の消滅―意味の崩壊か、解放か?
飼い馴らすこと―欲望か、共通の過去か ほか)
第2章 普遍性と差異(テーゼ
価値はどのような場合に普遍的なのか? ほか)
第3章 生きていることの価値(問題設定
永続する生の個人的価値 ほか)
第4章 人々を尊重する(カント的由来
それ自体目的であることについて ほか)
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