岡田精司
( おかだ・せいし )岡田精司(おかだ・せいし)1929-2019年。國學院大學文学部史学科卒業。立命館大学助教授、三重大学教授を歴任した。古代祭祀研究をつねにリードしてきた歴史学者。著書に『神社の古代史』(ちくま学芸文庫)、『古代王権の祭祀と神話』『古代祭祀の史的研究』(塙書房)などがある。
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うっそうとした森の中にたたずむ社。依り代を取り囲むどこかプリミティブな建築意匠から、神社は古代より一貫して変わらぬ存在と認識する人も多いだろう。しかし実際は神社の在り方も神の姿も時代とともに変わっており、明治以前は、神社も仏寺も一体のものとして認識されていた。ではいったい、日本人にとって神と仏とは何なのか。本書は、古代から近代までを一望できる京都という地を選び、上賀茂神社、下賀茂神社、伏見稲荷、北野天満宮、八坂神社、石清水八幡宮、平安神宮など日本人の多くが知る二十の社を素材にして、寺社と神仏の歴史をひもといた画期的な入門書。日本人の宗教意識の変遷や、今に残る各種の祭りの本来の意味、廃仏毀釈の政治的背景などがコンパクトにまとめられている。ひと味違った京都旅行案内としても楽しめる。
はじめに―なぜ京都を選んだか
県主の神から王城鎮護の神へ―二つの賀茂神社
稲荷の翁と東寺―伏見稲荷大社
比叡山の鎮守 日吉山王権現―日吉大社
八幡大菩薩の宮寺―石清水八幡宮
初めて人を祭った社―北野天満宮
牛頭天王の社―祇園社(八坂神社)
神社と神職の家元―吉田神社
神になった武将たち―豊国大明神と東照大権現
流された天皇と維新の志士たち―白峰神宮・水無瀬神宮・霊山護国神社
神になる天皇―平安神宮・護王神社
梨木神社
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