波平恵美子
( なみひら・えみこ )波平恵美子(なみひら・えみこ):1942年、福岡県生まれ。お茶の水女子大学名誉教授。
loading...
未開社会における民間信仰研究を通じて、現代における医療行為と社会・文化の関連性を解いてみせる医療人類学は、新しく意欲的・野心的な試みだった。著者は吉田禎吾に師事し、そうした学問領域を切り拓いた先駆的第一人者。読みやすい筆致にも定評がある。本書は初期の代表作で、シャーマニズム信仰のような伝統的社会での医療治療から、近代化されつつある新潟県のムラにおける医療行為のフィールドワークまでを通して、医療人類学という病気観と社会構造の照応への試みの可能性を探っていく。〔海鳴社1984年1月、定価2000円、版元交渉中、文庫換算283頁〕
第1章 病気の意味づけ―病気のシンボリズム(病因論(病原論と病因論)
治療法 ほか)
第2章 病気と信仰(病気・治療・信仰
妖術と邪術 ほか)
第3章 病気と社会(「病マケ」―病気の社会的意味づけの一事例
コレラ流行とその社会的混乱 ほか)
第4章 伝統的社会における医療体系(江戸時代の痘瘡治療に見られる医療体系
奄美のユタ ほか)
第5章 病気と治療の文化人類学(医療人類学
「文化的疾病」と「病理学的疾病」について ほか)
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。