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ちくまプリマー新書

社会学をはじめる

——複雑さを生きる技法

定価

946

(10%税込)
ISBN

978-4-480-68486-8

Cコード

0236

整理番号

460

2024/06/05

判型

新書判

ページ数

208

解説

内容紹介

調査は聞くこと、分析は考えること、理論は表現すること
社会学をはじめるための、3つの基礎を身につける

社会学は、みんなにとって大事なことについて、しっかりしたデータにもとづいて考え、それを表現する営みです。

・自殺を少なくするにはどうすればいいだろうか?
・どうしたら、みんなにとって居心地のよい職場ができるだろうか?
・災害からの復興って、何がゴールなのだろうか?

社会学は、たとえばこんな問題に取り組んできました。
さあ、次はあなたの番です。この社会の複雑な問題をなんとかしたいと思ったら、社会学があなたの力になります。

目次

第1章 世界は意味に満ちあふれている――やっかいな問題としての社会
社会は二重に複雑/社会は意味から成り立っている/意味は言葉で成り立っている/やっかいな問題/社会問題に解決はない/社会は存在するの?/デュルケムの「社会的事実」/社会と社会学の共進化/社会学は社会主義/社会学は社会の解決力を擁護する/社会をプロセスとして考える/固定的な見方を解きほぐす

第2章 社会学って何だ?――みんなで規範の物語を作るいとなみ
飯島伸子の「被害構造論」/社会学は対話から成り立っている/社会学は社会の外に出られない/社会学は規範的な学問/規範を前面に出した「サードブレイス」論/意味は身体的な行為の中から生まれる/共同の規範をつくるいとなみとしての社会学/環境問題はどう解決できるかという問い/ヒントとしての順応的管理/順応的なプロセスとしての社会学

第3章 聞くことこそが社会学さ――対話的な社会認識としての調査
意味を集める/ソロモン諸島の経験から/対話的に社会認識が進む/対話の試行錯誤/社会学は全体性を手放さない/インタビューは認識を更新するプロセス/ライフストーリーを聞く/個人の中の複雑な社会を聞く/観察という「聞く」/文献・資料調査という「聞く」/統計調査という「聞く」/アンケート調査という「聞く」/アンケート調査にも対話プロセスが必要/社会学は「聞く」の組み合わせ

第4章 社会学は泥臭い分析技法を手放さない――圧縮して考える
データ集めと分析は同時並行/分析の基本は「圧縮」/数値化という圧縮/コード化という圧縮/図表化という圧縮/図表化することで気づく/見通しをよくして考える/四つの分析パターン/被災住民調査から/分類・傾向・比較・関係/広義の比較に意味がある/演繹と帰納/アブダクションという推論方法/いいアブダクションのためにはいい圧縮を

第5章 理論って何だ?――表現の技法としての理論と物語
言葉で表現するということ/「感情労働」論のインパクト/ソロモン諸島研究の理論化/いろいろな水準の理論がある/グランド・セオリーより中範囲の理論/理論とは共同で考えるためのフレームワーク/欠如モデルに陥らないために/冗長性をもった理論と物語/理論・物語としての記述/関係性まで描き出す厚い記述/理論を利用する

第6章 みんなソシオロジストになればいいのに――人びとの共同のいとなみとしての社会学
「協議会」の失敗/合意形成の困難/社会学実践をしよう/聞くことが基本的な姿勢/対話を継続し蓄積する/共同で分析し提言する/社会学することの喜び

著作者プロフィール

宮内泰介

( みやうち・たいすけ )

宮内 泰介(みやうち・たいすけ):1961年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。北海道大学大学院文学研究院教授。専門は環境社会学。著書に『歩く、見る、聞く 人びとの自然再生』(岩波新書)、『実践 自分で調べる技術』(上田昌文との共著、岩波新書)、『かつお節と日本人』(藤林泰との共著、岩波新書)、『開発と生活戦略の民族誌――ソロモン諸島アノケロ村の自然・移住・紛争』(新曜社)、『なぜ環境保全はうまくいかないのか――現場から考える「順応的ガバナンス」の可能性』(編著、新泉社)、『複雑な問題をどう解決すればよいのか――環境社会学の実践』(三上直之との共編著、新泉社)など。

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