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筑摩選書

震災と死者

——東日本大震災・関東大震災・濃尾地震

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01721-5

Cコード

0336

整理番号

203

2021/01/14

判型

四六判

ページ数

288

解説

内容紹介

東日本大震災から10年になろうとする現在も、被災者の心に刻まれた傷は癒えたとはいえない。死者の問題は遺族の心情を慮り、メディアも遠慮がちにしか取り上げない。その結果、現在でも震災で発生した遺体にどう行政が対応したのか、記録が残されている例は極めて少ない。本書ではまず東日本大震災当時の困難な状況下、現場で対応に当たった行政担当者や寺院の人々に聞き取りをし、自治体が発行した記録誌やメディアから事実の過程を跡付ける。さらに関東大震災、濃尾地震という近代の巨大地震に際して、遺族あるいは社会が震災死亡者に対してどのように対応してきたのか、政府がどのような災害対策や復興事業を行ってきたのかを、史料に当たって検証する。南方熊楠賞を受賞した災害社会史の泰斗が、震災における死者の問題を問いなおす。

目次

1 東日本大震災―死者の行方と避難の実態(消防団員の東日本大震災―「これはただ事ではない」
死者の行方
東日本大震災と仏教系メディア―死者をめぐる情報を中心に ほか)
2 関東大震災―死者供養と寺院移転(関東大震災の寺院被害と復興―関東圏における真言宗智山派寺院の場合
関東大震災と寺院移転問題―誓願寺塔頭と築地本願寺末寺の場合)
3 濃尾地震―天野若圓と震災紀念堂(天野若圓の前半生
濃尾震災紀念堂)

著作者プロフィール

北原糸子

( きたはら・いとこ )

1939年山梨県生まれ。東京教育大学大学院日本史専攻修士課程修了。神奈川大学歴史民俗資料学研究科特任教授を経て、現在、立命館大学歴史都市防災研究センター教授、歴史地震研究会前会長。日本の災害史研究を重ねている。著書に『磐梯山噴火』『日本災害史』(吉川弘文館)、『地震の社会史』(講談社)、『近世災害情報論』(塙書房)、『関東大震災の社会史』(朝日新聞出版)が、共編著に『日本歴史災害事典』(吉川弘文館)などがある。

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