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筑摩選書

「暮し」のファシズム

——戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01725-3

Cコード

0321

整理番号

208

2021/03/15

判型

四六判

ページ数

352

解説

内容紹介

2020年5月、厚生労働省が新型コロナウィルス対策のための「新しい生活様式」を提言した。
著者はこの「新しい生活様式」から、戦時下の「新生活体制」を連想すると言う。
コロナとの戦いの「銃後」において、私たちはパンケーキを焼いたり断捨離をし、共助や合理的な思考が大切だと言われたりした。実は、これら「ていねいな暮らし」的なもののルーツは戦時下の翼賛体制にある。その普及に力を奮い戦後『暮しの手帖』編集長となった花森安治を鍵に、生活や日常に入り込む「女文字」のプロパガンダについて検証していく。
「手仕事」「女子が制服をおしゃれに着こなすこと」「趣味の二次創作」「町内会」といった現在当たり前の日常が、戦時下においていかにつくられたか。そのなかで現在の広告産業に連なる人たちが何をして、国民はいかに動員されたのか。著者独自の資料をもとに論じる。
政治の生活への介入があからさまになった、「withコロナ」の暮らしを考える上で必須の一冊。

目次

序章 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってくる
第1章 花森安治と「女文字」のプロパガンダ
第2章 太宰治の女性一人称小説と戦争メディアミックス
第3章 戦時下のミニマリスト詩人・尾崎喜八の「隣組」
第4章 「サザエさん」一家はどこから来たのか
第5章 制服女学生とガスマスクのある日常
付論 花森安治の小説とモダニズム

著作者プロフィール

大塚英志

( おおつか・えいじ )

大塚 英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

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