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筑摩選書

資本主義・デモクラシー・エコロジー

——危機の時代の「突破口」を求めて

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01743-7

Cコード

0331

整理番号

225

2022/01/11

判型

四六判

ページ数

352

解説

内容紹介

私たちがその只中を生きる近代。そこでは、デモクラシー、ナショナリズム、資本主義が、相互に緊張をはらみながら、「三頭立ての馬車」(トロイカ体制)として、国民国家と世界政治を牽引してきた。デモクラシー、ナショナリズム、資本主義を基礎的条件とする自由民主主義は、20世紀から、ほぼその終わりに至るまで、世界各国の政治体制の標準モデルとして機能してきたのである。だが、21世紀初頭の現在、トロイカ体制の連携はおぼつかなくなり、不安定な事態が出来している。福祉国家の理念はすでに退潮し、ネオリベラルな金融資本主義が大きな力を持つようになってきたからだ。これにより、資本主義文明の基礎は掘り崩され、三権分離・立憲主義・デュープロセスを含む自由民主主義体制の法的基盤が蚕食されつつある。民主主義の機能不全が露わになってきたのである。それだけでなく、人類の文明的および経済的活動によって、生態系(エコロジー)の許容能力の限界が明らかになり、気候危機の問題化が顕在化してきた。こうした隘路から、いかにすれば脱却できるのかを探究した、渾身作!

目次

はじめに―いまなぜ「資本主義・デモクラシー・エコロジー」なのか
第1章 資本主義の変容―デモクラシーと立憲主義の危機
第2章 揺らぐ現代国家の正統性
第3章 自由民主主義の危機と社会保障の劣化
第4章 エコロジーの限界とその逆襲
補論 シュンペーター・テーゼ再訪

著作者プロフィール

千葉眞

( ちば・しん )

千葉眞(ちば・しん) 1949年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。プリンストン神学大学でPh.D.(政治倫理学)を取得。現在、国際基督教大学名誉教授。政治学者。専門は西欧政治思想史・政治理論。著訳書に『現代プロテスタンティズムの政治思想』(新教出版社)、『ラディカル・デモクラシーの地平』(新評論)、『アーレントと現代』(岩波書店)、『デモクラシー』(岩波書店)、『「未完の革命」としての平和憲法』(岩波書店)、テイラー『世俗の時代』上下(共訳、名古屋大学出版会)、アーレント『アウグスティヌスの愛の概念』(訳、みすず書房)、ラクラウ/ムフ『民主主義の革命』(共訳、ちくま学芸文庫)などがある。

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