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筑摩選書

越境する出雲学

——浮かび上がるもうひとつの日本

出雲という地名や神社が列島各地にあるのはなぜか。全国の郷土史を渉猟し、人の移動や伝承を広がりを丹念に跡付けることで、この国のもう一つの輪郭を描き出す。

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01752-9

Cコード

0314

整理番号

233

2022/08/09

判型

四六判

ページ数

368

解説

内容紹介

 古事記神話の4割余りを占める出雲には、この国の成り立ちを解く鍵がある。地名や神社、伝承や考古学的成果などから、列島各地の“出雲”を掘り起こしてきた筆者が、それらを結びつけていくことで浮かび上がる“もう一つの日本”を描き出す。 郷土と郷土の歴史を、時には国境をも越えて結びつけていくと、中央(国家)の視点で描かれてきた歴史とは異なる多様性、中央の下位的存在などではない地域の価値が浮かび上がる。地域を跨ぎ、地域をつなぐ出雲学の手法で、出雲から日本海沿岸を伝って越後で内陸に折れ、北関東へ至るルートなど、人の移動や文化伝播の流れを探究。中央―地方(周縁)という一元的な関係には収まらない、様々な地域と地域のつながりの中で多元的に醸成されてきた列島社会の基層、“別の鏡”に映し出された私たちのルーツ・自画像を可視化する。

目次

序章 全国“出雲”再発見の旅
第1章 大和神話との矛盾から解く列島の出雲世界
第2章 出雲を原郷とする人たちを探す鍵―地名や神社で辿る列島移住史
第3章 国引き神話と新羅・高志
第4章 能登・越中・越後の出雲を追って
第5章 沿岸から内陸へ―越後から会津・北関東への道
第6章 瀬戸内と関門海峡を渡って
第7章 出雲と大和―畿内への道
終章 日本海交流の鍵=ミホススミに光を!

著作者プロフィール

岡本雅享

( おかもと・まさたか )

1967年出雲市生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、福岡県立大学社会学部教授。専門は政治社会学・民俗学。著書に『中国の少数民族教育と言語政策』(社会評論社、2008年)、『民族の創出』(岩波書店)、2014年、『出雲を原郷とする人たち』(藤原書店、2016年)、『千家尊福と出雲信仰』(ちくま新書、2019年)など。地域や国を跨ぐ日本型Ethnic Studiesとしての出雲学を提唱。

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