API Error: too_many_requests

loading...

筑摩選書

「笛吹き男」の正体

——東方植民のデモーニッシュな系譜

定価

1,760

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01753-6

Cコード

0322

整理番号

240

2022/11/15

判型

四六判

ページ数

256

解説

内容紹介

「ハーメルンの笛吹き男」伝説を扱うのはひとつの冒険である。阿部謹也氏の同名書を超えるものは、もはや日本では生まれないと言われてきたからだ。突然、130人の子供たちを失った人々の悲しみ、著者のこのテーマに寄せる情熱、精緻な文献調査、学者としての良心がひしひしと伝わり、感動がふたたび呼び起こされる。阿部氏の本では「笛吹き男」伝説の真相は、歴史の闇に隠れ、決定的な新資料が出現しないかぎり、解明することは困難であるとされてきた。本書では二つの視点から伝説の本丸に攻め込む。ひとつは、事件の起きた日にちの問題である。事件が「ヨハネとパウロの日」(1284年6月26日)に発生したことになっているが、本当にそうであったか。もうひとつはなぜこの事件が発生したのかという問題である。これまで失踪原因には、諸説が展開されてきた。近年の研究動向では、事件はロカトール(植民請負人)の東方植民のリクルートによって発生したという説がほぼ定説となってきた。本書はさらに「笛吹き男」伝説が、究極的にはヒトラーのナチズムで注目されるようになった東方植民政策と、根の部分で深くつながっていたのではないかとも問う。

目次

序章 「笛吹き男」ミステリーの変貌
第1章 「笛吹き男」伝説の虚像と実像
第2章 事件に関する諸説
第3章 ハーメルンで起きた事件の検証
第4章 ロカトールの正体と東方植民者の日常
第5章 ドイツ東方植民の系譜
第6章 ドイツ帝国(一八七一‐一九一八)の植民地政策
第7章 ナチスと東方植民運動
第8章 「笛吹き男」とヒトラー

著作者プロフィール

浜本隆志

( はまもと・たかし )

浜本隆志 (はまもとたかし):1944年香川県生まれ。関西大学名誉教授。ワイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。博士(文学)。ドイツ文化論・ヨーロッパ文化論専攻。著書に『「窓」の思想史』(筑摩選書)、『拷問と処刑の西洋史』(新潮選書)、『魔女とカルトのドイツ史』(講談社現代新書)、『バレンタインデーの秘密』』(平凡社新書)、『ナチスと隕石仏像』(集英社新書)、『図説 ヨーロッパの紋章』『図説ヨーロッパの装飾文様』(ともに、河出書房新社)などがある。

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。

  • [*]は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
  • (ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
  • ※お寄せいただいたご意見・ご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
  • ※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご了承ください。

「筑摩選書」でいま人気の本

いま話題の本