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ちくま学芸文庫

日本語と日本語論

<ことば>と<こころ>

認知言語学の第一人者が洞察する、日本語の本質。既存の日本語論のあり方を整理し、言語類型論の立場から再検討する。  【解説: 野村益寛 】

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09090-4

Cコード

0181

整理番号

-11-2

2007/09/10

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という『雪国』の冒頭を、ある訳者は“The train came out of the long tunnel into the snow country.”と訳した。英語表現では汽車が焦点となるが、私たちは描かれざる主人公をイメージする。ここで「主客合体」の状況が起きるのだ。本書では、さまざまな日本語話者好みの表現を取りあげ、その背後にある「こころ」の働きに目を向ける。主観性や主語の省略現象、複数表現、「モノ」「トコロ」を軸とした事態把握などから、「日本語ら

目次

第1部 日本語と日本語論(外から見た日本語・内から見た日本語
「談話」としての日本語「人」論と日本語「人」論批判
言語類型論と言語の「類型」 ほか)
第2部 「モノ」と「トコロ」―その対立と反転(「有界的」な「モノ」と「無界的」な「トコロ」
「無界性」と「部分」・「未完了」
「トコロ」の二面性と「身体性」 ほか)
第3部 日本語の主観性と主語の省略(ラガナ氏の戸惑い
主語の「省略」ということ
主語の「省略」と美意識 ほか)

著作者プロフィール

池上嘉彦

( いけがみ・よしひこ )

池上 嘉彦(いけがみ・よしひこ):1934年、京都生まれ。東京大学で英語英文学(B.A., M.A.)、イェール大学で言語学(M.Phil., Ph.D.)専攻。現在、東京大学名誉教授、日本認知言語学会名誉会長、日本記号学会名誉会員。インディアナ大学、ミュンヘン大学、チュービンゲン大学、ベルリン自由大学、北京日本学研究センターなどで客員教授、ロンドン大学、カリフォルニア大学バークレー校などで客員研究員。著書に『意味論』『「する」と「なる」の言語学』(大修館書店)、『記号論への招待』(岩波書店)、『〈英文法〉を考える』『日本語と日本語論』(ちくま学芸文庫)など。

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