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ちくま学芸文庫

カントの批判哲学

新しい超越論哲学へ

近代哲学を再構築してきたドゥルーズが、三批判書を追いつつカントの読み直しを図る。ドゥルーズ哲学が形成される契機となった一冊。新訳。

定価

968

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09130-7

Cコード

0110

整理番号

-7-3

2008/01/09

判型

文庫判

ページ数

240

解説

内容紹介

独自の視点で哲学史に取り組んできたドゥルーズは、本書で、カントの3つの主著、『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の読み直しをはかる。カントの批判哲学が、理性・悟性・構想力という諸能力の組み合わせの変化によって作動する一つの置換体系として描き出され、諸能力の一致=共通感覚に、その体系の基礎が見いだされる。カントを、乗り越えるべき「敵」ととらえていたドゥルーズが、自らの思想を形成するために書き上げたモノグラフィー。平明な解説と用語解説を付す。新訳。

目次

序論 超越論的方法(カントの理性観
能力という語の第一の意味 ほか)
第1章 純粋理性批判における諸能力の関係(ア・プリオリと超越論的
コペルニクス的転回 ほか)
第2章 実践理性批判における諸能力の関係(立法的理性
自由の問題 ほか)
第3章 判断力批判における諸能力の関係(感情の高次形態は存在するか?
美的共通感覚 ほか)
結論 理性の諸目的(諸能力の理説
諸目的の理論 ほか)

著作者プロフィール

ジル・ドゥルーズ

( どぅるーず,じる )

1925-95年。フランスの哲学者。1970年よりパリ第8大学教授。60年代以降の言語論的な転回、ポスト構造主義の思想的文脈のなかで思索を重ね、主著『差異と反復』(1968年)などを世に問う。また、ガタリとの共著『アンチ・オイディプス』(1972年)、『千のプラトー』(1980年)は、精神分析やマルクス主義の概念を援用した資本主義社会論として、大きな影響を与えた。

國分功一郎

( こくぶん・こういちろう )

1974年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修了。高崎経済大学准教授を経て、現在、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専攻は哲学。著書に『暇と退屈の倫理学 増補新版』(太田出版)『統治新論──民主主義のマネジメント』(大竹弘二との共著、太田出版)『来るべき民主主義──小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書)『ドゥルーズの哲学原理』(岩波書店)『スピノザの方法』(みすず書房)、訳書にドゥルーズ『カントの批判哲学』などがある。

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