loading...

ちくま学芸文庫

熱学思想の史的展開2

——熱とエントロピー

熱力学、カルノーに始まる

熱力学はカルノーの一篇の論文に始まり骨格が完成した。熱素説に立ちつつも、時代に半世紀も先行していた。理論のヒントは水車だったのか?

定価

1,650

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09182-6

Cコード

0142

整理番号

-18-2

2009/01/07

判型

文庫判

ページ数

432

解説

内容紹介

カルノー28歳、わずか1篇の論文『火の動力』で、熱力学の基礎を確立した。イギリスに誕生した蒸気機関は、フランスで効率改良の理論研究が進められ、彼は熱の生む動力の絶対的な制約を見いだす。だがその理論は巨視的自然の究極の真理に触れるラディカルなもので、技術者にも物理学者にも受け入れられることなく長く埋もれる運命となる。第2巻は、熱力学草創期。熱素説の形成と崩壊、そして熱力学第1法則、エネルギー原理の確立と進む。さらに議論は熱力学第2法則とエントロピー概念の形成へとのぼりつめていく。欧米にも類書のない広がりと深

目次

第3部 熱量学と熱量保存則(熱量学の原理の提唱―ラプラスとラヴォアジェ
気体の熱膨張と温度概念批判―ラプラス、ゲイ=リュサック、ドルトン
断熱変化と気体比熱をめぐって―“比熱変化理論”と“比熱・潜熱理論”
解析的熱量学の完成―ラプラスとポアソン ほか)
第4部 熱の動力―カルノーとジュール(新しい問題の設定―熱の「動力」―カルノーとワット
理想的熱機関の理論―カルノーの定理
カルノー理論の構造と外延―熱力学の第1ページ
間奏曲―熱波動論の形成と限界―ヤング、ヒューエル、カルノー ほか)

著作者プロフィール

山本義隆

( やまもと・よしたか )

山本 義隆(やまもと・よしたか):1941年、大阪府生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。科学史家、駿台予備学校物理科講師、元東大闘争全学共闘会議代表。著書に、『重力と力学的世界』、『熱学思想の史的展開』、『古典力学の形成』、『磁力と重力の発見』、『一六世紀文化革命』、『世界の見方の転換』、『小数と対数の発見』、『解析力学Ⅰ・Ⅱ』(共著)、『幾何光学の正準理論』、『近代日本一五〇年』、『私の1960年代』、『核燃料サイクルという迷宮』ほか多数。訳書に、カッシーラー『実体概念と関数概念』、ニールス・ボーア『因果性と相補性』『量子力学の誕生』などがある。

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。

  • [*]は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
  • (ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
  • ※お寄せいただいたご意見・ご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
  • ※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご了承ください。

「ちくま学芸文庫」でいま人気の本

いま話題の本