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ちくま学芸文庫

「聴く」ことの力

——臨床哲学試論

〈苦しむひと〉に向き合い 新しい哲学を拓いた代表作 解説 高橋源一郎

「聴く」という受け身のいとなみを通して広がる哲学の可能性をさまざまな形で問い直し、ホモ・パティエンスとしての人間を考察する著者の代表作。

定価

1,100

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09668-5

Cコード

0110

整理番号

-5-5

2015/04/08

判型

文庫判

ページ数

288

解説

内容紹介

「聴く」―目の前にいる相手をそのまま受け止めるいとなみが、他者と自分理解の場を劈く。本書は、不条理に苦しむこころからことばがこぼれ落ちるのを待ち、黙って迎え入れる受け身の行為がもたらす哲学的可能性を模索する。さらにメルロ=ポンティ、ディディエ・アンジュー、レヴィナスなどを援用しつつ、ケアの現場や苦しみの現場において思考を重ねることで、「臨床哲学」という新しい地平を生み出した。刊行以来、多くの人に影響を与えた名著が文庫で登場。第3回桑原武夫学芸賞を受賞。植田正治の写真とともに贈る。

目次

第1章 “試み”としての哲学
第2章 だれの前で、という問題
第3章 遇うということ
第4章 迎え入れるということ
第5章 苦痛の苦痛
第6章 “ふれる”と“さわる”
第7章 享けるということ
第8章 ホモ・パティエンス

著作者プロフィール

鷲田清一

( わしだ・きよかず )

1949年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学総長などを経て、現在は京都市立芸術大学理事長・学長、せんだいメディアテーク館長。専門は哲学。現象学をベースに、臨床哲学、モード批評などを幅広く展開する。主な著書に『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(読売文学賞)、『「待つ」ということ』(以上、角川選書)、『〈ひと〉の現象学』(筑摩書房)、『哲学の使い方』(岩波新書)などがある。

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