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ちくま学芸文庫

『「いき」の構造』を読む

独創的な日本文化論への 最良のいざない

日本人の美意識の底流にある「いき」という概念。九鬼周造の名著『「いき」の構造』を素材に、二人の碩学が軽やかに解きほぐしていく。解説 井上俊

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09670-8

Cコード

0110

整理番号

-26-1

2015/04/08

判型

文庫判

ページ数

288

解説

内容紹介

1930年の刊行以来、今日にいたるまで版を重ねる九鬼周造の『「いき」の構造』。「いき」という美意識の世界を哲学の言葉で分解し、直六面体の図形を用いて説明する面白さが、いまなお読者をひきつけるのだろう。本書はその名著を、日本文化に造詣の深い安田・多田の碩学二人が、遺された草稿や創作ノートを手がかりに、九鬼が前提としたであろう具体例を挙げて読み解く、という大胆な試み。『「いき」の構造』本文と対に引かれる春信の浮世絵や歌舞伎「お富与三郎」「篭釣瓶」「娘道成寺」の場面、落語「祇園祭」「首提灯」「棒鱈」のセリフ等々

目次

はじめに―浮かみもやらぬ流れのうき身
序説―色香に迷う
「いき」の内包的構造―垢抜して張のある色っぽさ
「いき」の外延的構造―趣味の幾何学
「いき」の自然的表現―「苦界」の女
「いき」の芸術的表現―模様・建築・音楽
結論―民族的存在の解釈学

著作者プロフィール

安田武

( やすだ・たけし )

1922‐86年。東京生まれ。思想家。法政大学在学中に学徒出陣。ソ連軍との戦闘を経て復員後、大学を中退。「わだつみ会」の再建に尽力し、1964‐66年には思想の科学研究会会長をつとめた。著書に『学徒出陣』(三省堂)、『気むずかしさのすすめ』(新潮社)などがある。

多田道太郎

( ただ・みちたろう )

1924‐2007年。京都生まれ。フランス文学者。現代風俗研究会会長、京都大学教授、明治学院大学教授などをつとめた。著書に『複製芸術論』(勁草書房)、『遊びと日本人』(筑摩書房)、訳書にロジェ・カイヨワ『遊びと人間』(講談社)などがある。

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