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ちくま学芸文庫

呪われた部分

——全般経済学試論・蕩尽

「蕩尽」こそが人間の生の本来的目的である! 20世紀を代表し、その後の思想界を震撼させたバタイユの主著。第一人者による45年ぶりの新訳。

定価

1,540

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09840-5

Cコード

0110

整理番号

-12-11

2018/01/10

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

「“全般経済学”とは、生産よりも富の“消費”(つまり“蕩尽”)のほうを、重要な対象とする経済学のことである。」経済合理性の範疇に収まらない蕩尽・祝祭・宗教・エロス・芸術は、人間の喜びの本質が有用性の原理に拠って立つ生産・蓄積過程にあるのではなく、消費・蕩尽にあることを示す。本書は人間が不可避的に内包せざるを得なかった「過剰」を考察の対象にして人間存在の根源に迫り、生を真に充実させるために、蕩尽・神聖・恍惚に代表されるこの「呪われた部分」の再考を鋭く強く促す。意識の「コペルニクス的転回」に賭けたバタイユ作品

目次

第1部 理論の導入
第2部 歴史のデータ1 蕩尽の社会
第3部 歴史のデータ2 軍事企画社会と宗教企画社会
第4部 歴史のデータ3 産業社会
第5部 現代のデータ
補遺 消費の概念

著作者プロフィール

ジョルジュ・バタイユ

( ばたいゆ,じょるじゅ )

1897-1962年。フランスの思想家。大戦前から戦後にかけて、文学・思想・芸術・宗教学・政治等広範な領域で批評活動を行い、現代に至るまで大きな影響を与えつづけている。思想書:『エロティシズム』『無神学大全』『至高性』他。小説:『青空』『眼球譚』『マダム・エドワルダ』他。

酒井健

( さかい・たけし )

一九五四年、東京生まれ。一九七八年東京大学仏文科卒、同大学大学院進学。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学文学部教授。専門は、フランス現代思想、西欧文化史。著書に『バタイユ入門』(ちくま新書)、『ゴシックとは何か』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『バタイユ──聖性の探究者』(人文書院)、『絵画と現代思想』(新書館)、『シュルレアリスム──終わりなき革命』(中公新書)、訳書にバタイユ『エロティシズム』『ランスの大聖堂』『純然たる幸福』『ニーチェ覚書』(以上、ちくま学芸文庫)、『ニーチェについて』(現代思潮社)がある。

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