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ちくま文庫

折口信夫集 神の嫁 文豪怪談傑作選

神と死者の物怪と。 折口文学のエッセンス!

神と死者の声をひたすら聞き続けた折口信夫の怪談アンソロジー。物怪たちが跋扈活躍する「稲生物怪録」を皮切りに日本の根の國からの声が集結。

定価

968

(10%税込)
ISBN

978-4-480-42649-9

Cコード

0193

整理番号

-36-13

2009/09/09

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

巫者に憧れ、河童と戯れ、まざまざと異界を幻視した折口信夫は、近代日本が生んだ大いなる学匠詩人にして稀有なる霊媒(ミーディアム)であった。文学と民俗の両面にわたる深遠幽暗な折口学の根底には、常に彼方への視線、人外のモノへの共感がひそめられており、それはしばしば怪談文芸の領域へと肉迫する。知られざる名作怪談「生き口を問う女」や「稲生物怪録」ほかの創作と論考を一巻に。

目次

稲生物怪録
死者の書(抄)
神の嫁
むささび
生き口を問う女
生き口を問う女(続稿)
とがきばかりの脚本
巻返大倭未来記
夏芝居
お岩と与茂七
涼み芝居と怪談
寄席の夕立
もののけ其他
お伽及び咄
雄略紀を循環して
盆踊りの話
鬼の話
河童の話
座敷小僧の話
信太妻の話
餓鬼阿弥蘇生譚
小外伝(餓鬼阿弥蘇生譚の二)
水中の与太者
水中の友
鏡花との一夕

著作者プロフィール

折口信夫

( おりくち・しのぶ )

(1887~1953)大阪生まれ。筆名釈迢空。国学院で学び中学の国語教師を経て、柳田國男を知り、民俗学・国文学の研究に入る。 民間伝承採話のかたわら、短歌、詩、小説を書き、日本芸能史や古代研究にわたっては、実証に加えて詩人的直観にもとづくおよそ類 のない想像力と洞察にあふれた仕事をのこした。

東雅夫

( ひがし・まさお )

1958年、神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。「幻想文学」「幽」編集長を歴任。ちくま文庫「文豪怪談傑作選」シリーズはじめ編纂・監修書多数。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)『百物語の怪談史』『文豪たちの怪談ライブ』、編纂書に「ゴシック文学入門」「ゴシック文学神髄」「文豪ノ怪談ジュニア・セレクション」「平成怪奇小説傑作集」「赤江瀑アラベスク」の各シリーズ、監修書に「怪談えほん」シリーズなどがある。

この本への感想

 映画『千と千尋の神隠し』の台本(徳間書店刊『THE ART OF Spirited Away』に収録のもの)を読んでいたら、そのト書きに「白拍子達も神の嫁を見ようとする云々」と書かれた箇所があって、以来「カミノヨメ」という言葉が妙に頭にひっかかり、ずっと気になっていたのです。(この台本では「神の嫁」とは主人公の千尋のことを指して言っているのですが)まさか、そのものズバリ『神の嫁』というタイトルの小説がこの世に存在していようとは・・・。


 くらくて、ゆったりとした語り口で、古めかしい言葉があちこちに嵌め込まれている独特の小説。でも、さてこれからどうなる、というところで急にプツリと途切れちゃう、未完の小説。未完であるがゆえに、かえって強烈な印象が残ったけれど、もしかしてそういう効果を狙ってわざと未完なのかな、なんて勘繰ってみたりして・・・。

 怪談や妖怪といったものに疎い私ではありますが、『生き口を問う女』・・・これも未完だけれど・・・関西弁の男女の会話がぬめってくるようで面白く、また『盆踊りの話』や『河童の話』など、へぇと思うことも多く、為になりました。

 ・・・「何だかこわいような、また覗いてみたいような。」・・・

羊我堂

さん
update: 2010/04/05

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