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ちくま文庫

日本幻想文学大全Ⅱ 幻視の系譜

幻視者たちの文学史に輝く 究極のオール・タイム・ベスト

世阿弥の謡曲から、小川未明、夢野久作、宮沢賢治、中島敦、吉村昭……。幻視の閃きに満ちた日本幻想文学の逸品を集めたベスト・オブ・ベスト。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43112-7

Cコード

0193

整理番号

-21-6

2013/10/09

判型

文庫判

ページ数

608

解説

内容紹介

中世幻想譚の精華たる謡曲から、童話や探偵小説、そして戦後文学を代表する人々まで多彩な幻視者たちの文学を集大成。現実を超えた世界を追求する作家たちの鮮烈な軌跡を、識者によるオールタイム・ベストをもとに選ばれた名作佳品21篇によって跡づける。

目次

松風(世阿彌)
化鳥(泉鏡花)
牛女(小川未明)
猫町(萩原朔太郎)
魔術師(谷崎潤一郎)
木魂(夢野久作)
蜜のあわれ(室生犀星)
妙な話(芥川龍之介)
ひかりの素足(宮沢賢治)
片腕(川端康成)
Kの昇天(梶井基次郎)
父を失う話(渡辺温)
文字禍(中島敦)
虚空(埴谷雄高)
百鬼の会(吉田健一)
摩天楼(島尾敏雄)
地下街(中井英夫)
デンドロカカリヤ(安部公房)
少女架刑(吉村昭)
春の寵児(赤江瀑)
巨刹(倉橋由美子)

著作者プロフィール

東雅夫

( ひがし・まさお )

1958年、神奈川県生まれ。アンソロジスト、文芸評論家。「幻想文学」「幽」編集長を歴任。ちくま文庫「文豪怪談傑作選」シリーズはじめ編纂・監修書多数。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)『百物語の怪談史』『文豪たちの怪談ライブ』、編纂書に「ゴシック文学入門」「ゴシック文学神髄」「文豪ノ怪談ジュニア・セレクション」「平成怪奇小説傑作集」「赤江瀑アラベスク」の各シリーズ、監修書に「怪談えほん」シリーズなどがある。

小川未明

( おがわ・みめい )

作家・児童文学者。新潟に生まれ東京専門学校大学部(現・早稲田大学)に進学、坪内逍遙や島村抱月、小泉八雲の講義を受ける。1904年に処女作「漂浪児」を発表、作家となる。26年、東京日日新聞で童話作家宣言をし、以後、「日本のアンデルセン」と称される活躍をした。童話の代表作に「赤い蝋燭と人魚」「野薔薇」など。

谷崎潤一郎

( たにざき・じゅんいちろう)

1886?1965年。東京日本橋に生まれる。一高、東京帝大国文科にすすむが、授業料未納で退学。在学中に発表した「刺青」などの短編小説を永井荷風に激賞されたことをきっかけに文壇にデビュー、以後、作品を次々に発表。耽美的世界を描いて文名を得たが、関西移住後は古典文化にも傾倒し、独自の世界を築く。主な作品に「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」などの小説のほか、「源氏物語」の現代語訳がある。

芥川龍之介

( あくたがわ・りゅうのすけ)

1892-1927年。東京の下町生まれ。幼いころより和漢の書に親しみ、怪異を好んだ。一高、東京帝大英文科にすすむ。在学中に書いた「鼻」が夏目漱石の激賞を受ける。しばらく教員生活をしたのちに創作に専念、第一創作集『羅生門』によって文壇の地位を確立。以後、王朝物、キリシタン物、開化物など、たえず新機軸につとめ、知的で清新な作風をつくりあげた。睡眠薬により自殺。

宮沢賢治

( みやざわ・けんじ)

1896-1933。岩手県花巻市の生まれ。生家は古着・質商。盛岡の高等農林学校在学中に詩や散文の習作をはじめる。日蓮宗に深く帰依し、一時上京して布教生活を送る。帰郷後は農学校で教えつつ多くの詩や童話を書く。やがて農学校を退職、「羅須地人協会」をつくり、農民への献身の生活に入った。生前はほとんど無名のままに死去。病床のなかで手帳に綴ったのが「雨ニモマケズ」の詩。

吉村昭

( よしむら・あきら)

(1927-2006)東京生まれ。学習院大学中退。1966年、『星への旅』により太宰治賞受賞。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』などにより菊池寛賞受賞。87年日本芸術院賞受賞、97年より日本芸術院会員。主著に『ふぉん・しいほるとの娘』(吉川英治文学賞)、『破獄』(読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『天狗争乱』(大佛次郎賞)など。

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