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ちくま文庫

子は親を救うために「心の病」になる

親の生き方が、子を苦しめている 精神科医が解き明かす 「親と子」の真実

子は親が好きだからこそ「心の病」になり、親を救おうとしている。精神科医である著者が説く、親子という「生きづらさ」の原点とその解決。

定価

858

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43158-5

Cコード

0111

整理番号

-36-2

2014/04/09

判型

文庫判

ページ数

288

解説

内容紹介

著者は「引きこもり」や「拒食症」で悩む多くの子どもたちに向き合い、心の声に耳を傾けてきた。どの子も親が大好きで、「自分が役に立っているだろうか」「必要とされているだろうか」と考えている。しかし思春期になり、親から逃れようとする心と、従おうとする心の葛藤に悩み「心の病」になってしまう。真の解決は、親が子を救い出すのではなく、子に親が救われるのだと分かった時に訪れる。

目次

プロローグ 心の「宇宙期」
第1章 息子は親を救うために引きこもった
第2章 娘の摂食障害が、母親の人生を回復させた
第3章 虐待されて育った子は「善と悪が逆」になっている
第4章 親とのつながりを持てなかった子の不思議な訴え
第5章 心の発達段階の最後、「宇宙期」とは何か

著作者プロフィール

高橋和巳

( たかはし・かずみ )

精神科医。医学博士。1953年生まれ。福島県立医科大学卒業後、東京医科歯科大学神経精神科に入局。大脳生理学・脳機能マッピング研究を行う。都立松沢病院で精神科医長を退職後、都内でクリニックを開業。カウンセラーの教育にも熱心で、スーパーヴィジョンを行っている。著書に『「母と子」という病』(ちくま新書)、『子は親を救うために「心の病」になる』『人は変われる』(ちくま文庫)、『新しく生きる』『楽しく生きる』(共に三五館)等がある。

この本への感想

元被虐待児の自分がなぜ周り、親、社会となかなかうまくいかなかったかがクリアになる。性格の中心にある怒りについては、「辛い生き方を背負っているとその怒りの部分だけが強くなって、他の穏やかな感情が相対的に抑制されてしまう」で腑に落ちた。自分への理解が進んで前を向ける点では、『毒親』本よりこの著者の本がわたしには向いている。
エピローグで読む自分への理解について「親をもてなかった人々にも心の解決があった。(略)悩みを解決するということではなく、自分の存在を確認するということであった」まですべてが繋がっていく一冊。

YUKI

さん
update: 2019/10/19

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