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定価

946

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43769-3

Cコード

0193

整理番号

-29-1

2021/09/09

判型

文庫判

ページ数

320

解説

編者解説、解題(礒崎純一)

内容紹介

チェンバロの綺羅綺羅しい響きに合わせ忍び寄る吸血鬼、華水橋のたもとに佇む一糸まとわぬ天使、青暗い水に潜む二匹の大蛇、『ポーの一族』を髣髴させる少年たち……、古今東西の事物に精通し、独特な美意識で歌を詠み、小説や評論で幻想文学ファンをうならせた須永夏彦。今となっては、入手困難な幻の小説群から、小説家・山尾悠子が23篇をえりすぐる本年5月に逝去した須永朝彦の小説アンソロジーを編む。手軽な形にまとまった1冊として手に取ってもらいたい。底本は国書刊行会の『須永朝彦小説全集』。

著作者プロフィール

須永朝彦

( すなが・あさひこ )

1946年、足利市生まれ。塚本邦雄の影響を強く受け、歌人として出発するが、1970年代には耽美的で幻想的な小説の数々を発表する。稲垣足穂、佐藤春夫、澁澤龍彦らに触発されたというその作品は、どれも深い知識と美意識に裏打ちされ、多くの幻想文学ファンをうならせた。歌舞伎にも深い造詣をもち、また坂東玉三郎主演台本も手掛けた。1990年代以降は『鏡花コレクション』Ⅰ~Ⅲ、『江戸奇談怪談集』などのアンソロジーを多く編んでいる。『就眠儀式』『天使』などの小説集、『美少年日本史』『歌舞伎ワンダーランド』などの評論集、『須永朝彦歌集』『須永朝彦小説全集』などがある。2021年5月逝去。

山尾悠子

( やまお・ゆうこ )

山尾 悠子(やまお・ゆうこ):岡山市生まれ、小説家。同志社大学文学部国文学科卒業。1975年、「仮面舞踏会」(「S-Fマガジン」早川書房)でデビュー。2018年、『飛ぶ孔雀』で泉鏡花文学賞、日本SF大賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。小説に『仮面物語 或は鏡の王国の記』、『オットーと魔術師』、『ラピスラズリ』、『増補 夢の遠近法』、『歪み真珠』、『山の人魚と虚ろの王』、エッセイ集『迷宮遊覧飛行』、歌集『角砂糖の日』などの著書がある。

この本への感想

黄昏に長く尾をひく影を慕って何処までもついて行く気持ちで読み始めました。
天使や吸血鬼にうっとりさせられ、漢字表記の外国の地名や花の羅列にはむせぶばかり、乱歩たちの架空の対談は少し毛色が違って、でもこれもまた楽しく、数々の流麗な小説をこころゆくまで堪能(…堪能よりもむしろ耽溺と言った方がいいのかもしれませんが)いたしました。

さん
update: 2022/09/08

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