舌津智之
( ぜっつ・ともゆき )1964年、愛知県生まれ。東京大学大学院修士課程修了、テキサス大学オースティン校にて博士号取得。2022年現在、立教大学文学部教授。『抒情するアメリカ モダニズム文学の明滅』(2009年)ほか著書・共著書多数。
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男女をめぐるさまざまな意識が変わりはじめた七〇年代。
歌謡曲もまた日本の音楽史のなかで、劇的に変化した時期だった。
時代の空気に敏感に反応する流行歌には、男女の姿が徹底的に描きだされている。理想の恋愛像や親子像、既成の「男らしさ、女らしさ」と
それに代わる新しい価値観……。歌謡曲という大衆芸術は、今日にいかなる遺産を残したのか。
阿久悠、松本隆、阿木燿子らの詩、ピンク・レディー、桑田佳祐、太田裕美らの歌を丹念に読みとき、男女間の変遷を掘りおこしていく。
文学や社会学の領域をも超え、七〇年代を俯瞰する文化論としても読むことができるダイナミックな試み。
1 愛しさのしくみ(愛があるから大丈夫なの?―結婚という強迫
あなたの虚実、忘れはしない―母性愛という神話
戦争を知らない男たち―愛国のメモリー)
2 越境する性(うぶな聴き手がいけないの―撹乱する「キャンプ」
やさしさが怖かった頃―年齢とジェンダー
ウラ=ウラよ!―異性愛の彼岸)
3 欲望の時空(黒いインクがきれいな歌―文字と郵便
いいえ、欲しいの!ダイヤも―女性と都市
季節に褪せない心があれば、歌ってどんなに不幸かしら―抒情と時間)
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