島田潤一郎
( しまだ・じゅんいちろう )1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していたが、方向転換。2009年9月に出版社・夏葉社を東京の吉祥寺で創業した。著書に『古くてあたらしい仕事』(新潮社)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング)、『90年代の若者たち』『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店)がある。
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文学を中心に、良書を出版し続け、読書人に注目されている一人出版社「夏葉社」。その代表の島田氏による、出版社創業に至る青春時代や、創業5年目までを描いたエッセイ。大学卒業後は就職して……という一般的なルートをはずれ、小説家になろうと(あるいは会社員になろうと)した苦闘について、また出版社をつくったときの苦労や、本づくりに関する悩みや思いについて書いた文章は胸を打つ。正直に話される、どんなふうに本をつくり売っているかという話は、本づくりの実際を知りたい人にも面白いだろう。また、小説家を目指していた大学時代の話は、何かになろうとして、でもなれなかった人の共感を呼ぶし、その時代の友人たちのエピソードは、おかしくも悲しく、多くの人の胸を打つ。文庫化にあたっては、その後について描いた文章を増補する。
1 ひとりで出版社をはじめる(従兄が死んだ
室戸
仕事を探す日々
Iのこと
人生は真っ暗だ ほか)
2 よろこびとかなしみの日々(『冬の本』のよろこび。その一
『冬の本』のよろこび。その二
出版社をたたみたい
町の本屋さんが好き
古本が好き ほか)
文庫版書き下ろし 四五歳のぼく
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