島田潤一郎
( しまだ・じゅんいちろう )1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していたが、方向転換。2009年9月に出版社・夏葉社を東京の吉祥寺で創業した。著書に『古くてあたらしい仕事』(新潮社)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング)、『90年代の若者たち』『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店)がある。
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本当は就職をしたかった。でも、できなかった。33歳のぼくは、大切な人たちのために、一編の詩を本にすること、出版社を始めることを決心した──。心がこもった良書を刊行しつづける「ひとり出版社」夏葉社の始まりから、青春の悩める日々、編集・装丁・書店営業の裏話、忘れがたい人や出来事といったエピソードまで。生き方、仕事、文学をめぐる心打つエッセイ。解説 頭木弘樹
はじめに
1 ひとりで出版社をはじめる
従兄が死んだ/室戸/仕事を探す日々/Iのこと/人生は真っ暗だ/なにかをはじめよう/一編の詩/ぼくは本をつくりたい/お前は形から入るよな/吉祥寺のひとり出版社/はじめての仕事/さあ、どうしよう/高橋和枝さん/島田くんなら大丈夫/仕事ってなんだ/その名にちなんで/文学にすべてがあるような気がした/『レンブラントの帽子』/世田谷の現代詩教室/完璧な本/和田誠さん/ひとりではなにもできない/営業に行く/ツイッターと京都/最初の本ができた! /行き詰まる日々/ぼくのしあわせ/『昔日の客』/『昔日の客』の続き/ピースの又吉さん/日々の仕事/『さよならのあとで』/表参道で会いたい
2 よろこびとかなしみの日々
『冬の本』のよろこび。その一/『冬の本』のよろこび。その二/出版社をたたみたい/町の本屋さんが好き/古本が好き/ひとり遊び/デザインについて/叫びたい/居酒屋の隅で/堀部/文芸部の同級生/敬次郎さん/沖縄に住む/忘れられない人/アフリカに行かなくちゃ/いざ、アフリカ/煙草/食べものの話/『本屋図鑑』その一。利尻島の「ほんこや」のこと/『本屋図鑑』その二。本屋さんの図鑑ができるまで/『本屋図鑑』その三。「山に囲まれた海辺の町」の本屋さん/『本屋図鑑』その四。「図鑑」にした理由/『本屋図鑑』その五。「海文堂書店」のこと/『本屋図鑑』その六。時間が止まった棚/『本屋図鑑』その七。本屋さんのこれから/ハトヤ/かなしみの場所
おわりに
四五歳のぼく(文庫版書き下ろし)
文庫版あとがき
解説 残像のいい人=頭木弘樹
本書に登場する夏葉社の本

青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話、忘れがたい人たち……「ひとり出版社」夏葉社を営む著者による心打つエッセイ。
2篇をあらたに増補し、待望の文庫化! 解説=頭木弘樹 装画=望月ミネタロウ
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