稲泉連
( いないずみ・れん )稲泉 連(いないずみ・れん):1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年に『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で大宅賞を受賞。主な著書に『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)、『アナザー1964――パラリンピック序章』(小学館)、『復興の書店』(小学館文庫)、『サーカスの子』(講談社)などがある。
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人はなぜ宇宙へ行くのか。本書は、歴代の日本人宇宙飛行士全12人に取材を行った史上初の書籍となる。宇宙に行った彼らはどのようなことを感じ、考えたか――。
1990年、日本人で初めて宇宙飛行を経験したTBS記者(当時)だった秋山豊寛から、「新世代」宇宙飛行士である油井亀美也・大西卓哉・金井宣茂まで、彼らが語る「宇宙体験」は様々だ。宇宙での神秘的な体験や無重力状態がもたらした意識の変容、そして宇宙から見た「地球」の光景。国境や人類がもらたした影響、環境汚染、宇宙にはない「匂い」と「重力」――宇宙に行った彼らが語る言葉の多くは、実は「地球」そのものを雄弁に語ってもいる。1990年に初めて日本人が宇宙へ行ってから、もうすでに四半世紀以上の時が経っている。今、宇宙へと向かう日本人飛行士の心境や立場もまた変化していることが、本書の取材は明らかにしている。「宇宙に行くこと」ではなく、「宇宙で何をしたか」が問われる時代だからこそ、宇宙を一つの「出張先」と語る日本人飛行士もいる。12人の歴代日本人宇宙飛行士、その30年間の歩みをたどる一冊。
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