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ちくま文庫

洲之内徹ベスト・エッセイ2

平松洋子さん推薦。

思想の意味を見失い、放蕩と諦観の果てに洲之内が見出した美の「誠意」とは? 最初期の批評を含む美術エッセイの名筆を集めたアンソロジー第2弾。

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43974-1

Cコード

0195

整理番号

-32-2

2024/08/07

判型

文庫判

ページ数

304

解説

内容紹介

「「かすみ草」を見ていると、私はふしぎに、いま自分はひとりだという気がする。いい絵はみんなそうかもしれない」白洲正子がその審美眼に全幅の信頼を寄せた「目利き」洲之内徹。獄中「転向」によって思想の意味を見失い、その場その場を生き延びる習性を身につけた。放蕩と諦観の果てに、洲之内が見出した美への「誠意」とは──。戦前に書かれた最初期の批評を含む美術エッセイの名筆を集めたアンソロジー第2弾。

目次

批評精神と批評家根性と
結構な御身分
雑感
薬瓶
穴を掘る
同姓同名
岸田劉生「西瓜喰ふ童女」
靉光「鳥」
長谷川二郎「猫」
曹良奎「マンホール B」
大正幻想
中野坂上のこおろぎ
羊について
自転車について
栗ノ木川に風船が浮んだ
スノウィッチ・トオルスキー氏の憂愁
猫は昨日の猫ならず
X関係
私の青べか
シテ・ファルギェールのアトリエ
みんな行ってしまった
男は一代
なんべん話を聞いてもおんなじや
モダン・ジャズの森に迷う

解説 ゾロ目とやどかり――洲之内徹の「誠意」 椹木野衣

著作者プロフィール

洲之内徹

( すのうち・とおる )

洲之内 徹(すのうち・とおる):1913-87年。愛媛県出身。美術エッセイスト、小説家、画商。1930年東京美術学校建築科在学中、マルクス主義に共感し左翼運動に参加する。大学3年時に特高に検挙され美術学校を退学。20歳で再検挙にあい、獄中転向して釈放される。38年、北支方面軍宣撫班要員として中国に渡り、特務機関を経て、中国共産党軍の情報収集に携わった。46年、33歳で帰国してからの約20年間、小説を執筆。3度芥川賞候補となるが、いずれも受賞はかなわず。61年より、田村泰次郎の現代画廊を引き継ぎ画廊主となった。74年から連載「気まぐれ美術館」を開始し、多くの読者を獲得した。

椹木野衣

( さわらぎ・のい )

椹木 野衣(さわらぎ・のい):1962年埼玉県秩父市生まれ。美術批評家。多摩美術大学教授。主な著作に『日本・現代・美術』『戦争と万博』ほか。

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