木村陽二郎
( きむら・ようじろう )1921―2006年。山口市生まれ。東京帝国大学植物学科卒業。東京大学教授・中央大学教授などを歴任。専攻、生物学・生物学史。著書に『日本自然誌の成立』『ナチュラリストの系譜』(中央公論社)『シーボルトと日本の植物』(恒和出版)『生物学史論集』(八坂書房)ほか。
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ルネサンス期から19世紀までの、植物学を中心とした西洋自然誌の流れを、生物学者であり自然科学史家でもある著者が丁寧に追い描く。本草学(薬学の一環としての植物学)という出発点、王立植物園をめぐる政治的かけひき、生物分類体系の変遷、啓蒙主義と自然誌の親和性など。ナチュラリストの系譜をみていくことによって、自然学がごく当たり前に人文学のうちに存在してきたことが理解される。長いスパンで人間と自然の関わりを捉え、今日の「自然志向」の源流を辿る名著。(1983年2月15日、中公新書、文庫換算246頁、出版権交渉中)
ルネサンスの自然誌
パリ植物園の創立者ブロス
フランス植物学の父ツルヌフォール
『自然誌』の著者ビュフォン園長
植物学者のプリンス、リンネ
ジャン・ジャック・ルソーの植物学
ジュシューとアダンソンの自然分類
進化論の創設者ラマルク
キュヴィエとジョフロア・サン=チレールの論争
ド・カンドルとその後の自然誌
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