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ちくま学芸文庫

戦争体験

——一九七〇年への遺書

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51056-3

Cコード

0110

整理番号

-26-2

2021/06/10

判型

文庫判

ページ数

304

解説

内容紹介

「戦争体験の伝承ということ、これについては、ほとんど絶望的である。」 著者にとって「死んでも忘れられない昭和十八年十二月一日」すなわち学徒出陣の日が、戦後十年にしてもはや学生に忘れられていること、大学教授や知識人への怒りと疑念、語りえぬ喪失感、自らの生の納得の出来なさ。自らを決定的に構成していながら十分に語ることができない戦争体験について書いたエッセイ集。戦後において戦争体験を「一般化」すること、またあるイデオロギーのもとに政治利用することに強い危機感と嫌悪感を抱きつつ、その体験が圧倒的であるがゆえの伝承の不可能性について考察する本書は、今でも十分に読まれる価値がある。

目次

序章 なぜ戦争体験に固執するか
1(喪われた世代
学徒出陣のころ
「戦後」はまだ終っていない
「執念」と「信仰」について
私の時計は笑っている
転向・挫折・戦争体験
生者の傲岸な頽廃)
2(戦争体験の「伝承」について
追跡者の執念
農民と知識人のあいだ
戦没学生の知性の構造
死者の声・生者の声
サークル『山脈』と持続)
終章 一九七〇年への遺書

著作者プロフィール

安田武

( やすだ・たけし )

1922‐86年。東京生まれ。思想家。法政大学在学中に学徒出陣。ソ連軍との戦闘を経て復員後、大学を中退。「わだつみ会」の再建に尽力し、1964‐66年には思想の科学研究会会長をつとめた。著書に『学徒出陣』(三省堂)、『気むずかしさのすすめ』(新潮社)などがある。

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