鈴木健
( すずき・けん )鈴木 健(すずき けん):1975年長野県生まれ。1998年慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は複雑系科学、自然哲学。東京財団仮想制度研究所フェローを経て、現在、東京大学特任研究員、スマートニュース株式会社代表取締役会長兼社長。著訳書に『NAM生成』(共著、太田出版)、『進化経済学のフロンティア』(共著、日本評論社)、『現れる存在』(共訳、ハヤカワ文庫NF)など。(写真撮影:新津保建秀)
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社会における境界を消し去り、なめらかな社会をつくることはできるのか――。ここでいう〈なめらかな社会〉とは、複雑な世界を複雑なまま生きることを可能にする秩序を意味する。著者は、技術的方法によって認知的限界(物事を単純化する世界観)を突破し、その秩序をもたらすことを構想した。インターネットによる本質的な社会変容を見据え、貨幣システム、投票システム、法システム、軍事システムという4つのコアシステムの提案を通しそれはなされる。テクノロジーによって社会の分断が加速していることが欧米で広く認識され、米中関係などテクノロジーが主要な国家安全保障のテーマとなり、他方、暗号通貨やブロックチェーン、VR/ARなどが普及しつつある。本書は刊行時、未来の書として大きな話題を呼んだが、今や現代の書として読まれなければならない。
第1部 なめらかな社会(生命から社会へ
なめらかな社会)
第2部 伝播投資貨幣PICSY(価値が伝播する貨幣
PICSYのモデル
PICSY、その可能性と射程)
第3部 分人民主主義Divicracy(個人民主主義から分人民主主義へ
伝播委任投票システム)
第4部 自然知性(計算と知性
パラレルワールドを生きること)
第5部 法と軍事(構成的社会契約論
敵
生態系としての社会へ)
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