学芸文庫『江戸奇談怪談集』の続巻として、構想されていた鎌倉・平安時代の幻想文学アンソロジー。
『日本霊験記』『今昔物語集』『古事談』『発心集』『宇治拾遺物語』『古今著文集』『平家物語』など古代から室町時代頃までの説話集、歴史物語、随筆の類から選ばれた１７作品８２篇を須永朝彦が翻訳した現代文で構成する。狐を妻としてしまった男が正体を知って後も臥所を共にし、生まれた子どもを「支都禰（きつね）」と名付けた話、海岸に巨人が流れ着いた話、海に遺棄された遣唐使の子供が魚に育てられた話、人を造った西行の話などなど、奇想天外、摩訶不思議、奇々怪々、美しく、妖しい古典がコンパクトな１冊としてよみがえる。底本は、国書刊行会『日本古典文学幻想コレクション』Ⅰ・Ⅱ、『書物の王国』「王侯」「美食」「王朝」「奇跡」。国書刊行会への出版権料なしで収録できます。