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定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51147-8

Cコード

0131

整理番号

-22-3

2022/12/08

判型

文庫判

ページ数

624

解説

内容紹介

国家の成立について考察し、国家主権への絶対的服従を説いた、西欧政治思想史上の一大古典『リヴァイアサン』(Leviathan,1651)。本書は、多くの人々から研究対象として強い関心を寄せられてきたが、残念ながらこれまで学問的な批判に耐えうる邦語訳には恵まれてこなかった。その理由は、翻訳に携わってきた研究者が、その誠実で真摯な取り組みにもかかわらず、二つの問題に制約されていたことに求められるであろう。一つは、言葉や概念の意味変化(例えば、civilやcivil society)への敏感さに欠けていたこと、もう一つは、キリスト教の理解が浅かったことである。新訳にあたっては、従来の翻訳書に潜む以上のような問題を可能な限り克服し、読者、とりわけ、これからの時代を生きる若い世代による政治の原理的な理解に資するものとした。下巻は、「第三部:キリスト教徒の政治的共同体について」から「第四部:暗黒の王国について」および総括と結論までを収める。巻末には訳者解説、略年譜、索引を付す。

目次

第3部 キリスト教徒から成る政治的共同体について(キリスト教政治学の諸原理について
聖書の諸篇の数、古さ、意図、権威および解釈者について
聖書の諸篇における霊、天使および霊感の意味について
聖書における神の王国、聖なる、神に捧げられた、および聖礼典の意味について
神の言葉および預言者たちについて ほか)
第4部 暗黒の王国について(聖書の誤った解釈に由来する霊的暗黒について
異邦人たちの宗教における魔物学およびその他の遺物について
空虚な哲学と架空の伝説とに由来する暗黒について
そうした暗黒に由来する利益および誰に対してそれが生じるかについて)
総括および結論

著作者プロフィール

トマス・ホッブズ

( とます・ほっぶず )

トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes):1588‐1679年。イギリスの哲学者・政治思想家。経験論・唯物論・唯名論を総合した立場に立ち、自然学・人間学・政治学の三部からなる壮大な哲学体系を構想する。自然権をもつ人間は、〈万人の万人に対する戦い〉にある自然状態から社会契約によって国家状態に移ると考えた。著書に『法の原理』『哲学原論』『ビヒモス』など。

加藤節

( かとう・たかし )

加藤節(かとう・たかし):1944年長野県生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院博士後期課程修了。法学博士。政治哲学専攻。現在、成蹊大学名誉教授。著訳書に『近代政治哲学と宗教』、ロック『統治二論』など。 

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