篠田英朗
( しのだ・ひであき )1968年生まれ。専門は国際関係論。現在、東京外国語大学総合国際学研究院教授。早稲田大学政治経済学部卒業。ロンドン大学(LSE)で国際関係学Ph.D.取得。広島大学平和科学研究センター准教授などを経て、現職。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『「国家主権」という思想』(勁草書房、サントリー学芸賞受賞)、『国際社会の秩序』(東京大学出版会)など。
loading...
そもそも紛争とは何なのか、紛争を解決するとはどういうことなのか。そこには「紛争解決論」という考え方がある。この「紛争解決論」は、英語圏諸国では大学から企業等に至るまで広範に教えられているが、日本ではあまり教えられていない。人間が生きていく限り、日常生活において紛争からは逃れられず、必要なのは紛争がない世界を夢見ることではなく、紛争に対処する技能を高め、準備を整えておくことだ――という認識から出発するのが紛争解決論である。
前半では、一般論として紛争解決論の基本的な考え方を提示する。ここでの考え方は、家庭や学校における紛争対応の延長線上にあることを強調したい。このように国際紛争を分析することによって、自分自身の生き方を変えていくことにもつながるだろう。
後半では、国際的紛争の傾向や対応する政策、現代世界の地域紛争の事例や日本の紛争の歴史の捉え方までを扱う。「紛争解決論」の観点からの政治史、政治制度、現代世界の分析であるが、政治にこれまで強い関心をもってきていない読者にとっても不都合がないように、わかりやすい説明を心掛けたい。
第1章 紛争解決の考え方
第2章 紛争分析の視点
第3章 紛争対応の方法
第4章 紛争分析の道具
第5章 紛争対応の政策
第6章 紛争分析と国際政治
第7章 紛争分析と地域紛争
第8章 紛争解決から見た国際政治史
第9章 現代世界の紛争解決の国際的な枠組み
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。