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定価

2,420

(10%税込)
ISBN

978-4-480-85792-7

Cコード

0095

整理番号

2009/09/10

判型

四六判

ページ数

256

解説

内容紹介

アスファルトの下、累々…。震災と大空襲の両国。小伝馬町の牢屋敷跡、小塚原の仕置場跡…。無数の骨灰をめぐり、忘れられた東京の記憶を掘り起こす、鎮魂行。

目次

ぶらり両国
新聞旧聞日本橋
千住、幻のちまた
つくづく築地
ぼちぼち谷中
たまには多磨へ
しみじみ新宿
両国ご供養

著作者プロフィール

小沢信男

( おざわ・のぶお )

1927年生まれ。東京・銀座西8丁目育ち。日本大学芸術学部卒業。大学在学中の52年、『江古田文学』掲載の「新東京感傷散歩」を花田清輝に認められ、53年に「新日本文学会」に入会。以後、小説、詩、俳句、評論、エッセイ、ルポルタージュなど多ジャンルにわたり文筆活動を行う。著書に『私のつづりかた』『東京骨灰紀行』『裸の大将一代記』『悲願千人斬の女』(以上、筑摩書房)、『俳句世がたり』(岩波書店)、『通り過ぎた人々』(みすず書房)、『捨身なひと』(晶文社)、『本の立ち話』(西田書店)などがある。

この本への感想

 もう歩かずにいられない。見て、確かめて、感じるしかない。東京近郊の人も、それ以外の人も。読んでしまったら仕方ない。小沢さんについていこう。道草しながら。ああだ、こうだと話しながら。


 で、小沢さん。人間て、生きている限り、誰かの骨灰を踏まずに歩くことなんかできないんですね。都市なんていう変なものと、資本主義と戦争がセットの近現代はとくにね。
 「それにしても、人間はこんなにむざむざ大量に死んでいいものか」って。
 小沢さん、怒っているんですか? あっはっはって、笑ってごまかしてもだめですよ。
 それにしえても、なんと碑の多いことでしょう。記録したいんですね。いたこと、あったことを石に刻む。いつか誰かが読んでくれるという願い。だから読むんですか。死と骨の記録。

 わかった。『東京骨灰紀行』は、都市の歩き方読本なんですね。生まれたら死ぬしかない人間の、生きた証し。死んだ証し。
 でも、仮に名古屋骨灰紀行をやった人がいても、小沢さんの軽重緩急自在で、反骨の文章は書けませんよ。
 えっ、反骨じゃない、骨灰ですって?
 そんなに足腰は丈夫なのに、耳はちょっとですか?
 困った込んだなぁ・・・。
  

黄英治

さん
update: 2009/10/02

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