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単行本

資本主義の〈その先〉へ

定価

2,640

(10%税込)
ISBN

978-4-480-86743-8

Cコード

0036

整理番号

2023/06/26

判型

四六判

ページ数

456

解説

内容紹介

莫大な富のみならず、巨大な問題をも生み出す資本主義。多くの人が、資本主義の負の側面を克服するにはどうすればいいか論じてきた。だが、資本主義の「その先」がどうなるかは、まだ誰も説得的には語り得ていない。こうした中で、資本主義を経済現象としてだけでなく、精神・社会的な現象として位置づけ直し、資本主義というものの概念を大幅に拡張したのが、本書。まず、経済現象としての資本主義に照準し、巨大な富を生み出し続けることを可能ならしめるメカニズムを解明。次いで、近代の科学と小説を俎上に載せ、いずれも、資本を駆動する欲動と同じような衝動を胚胎させていることを明らかにしてゆく。最終章では、資本主義の〈その先〉を展望する契機を「普遍的な連帯」に求め、現時点で言い得ることを全て展開。日本の代表する社会学者の一人である著者の、これまでの資本主義論の集大成と言い得る一冊である。

目次

第1章 終わらぬ終わり(「下部構造/上部構造」図式を超えて
賭博と黙示録
時間かせぎの資本主義
安楽死か、それとも終わらない延命か
量子論の裏返し
生産力と生産関係の矛盾
ただ一つの資本主義が残る?)
第2章 剰余価値はいかにして生まれるのか(労働価値説・再考
利子の謎
予定説の逆説
剰余価値の生成
資本としての概念、そしてコギト)
第3章 増殖する知―資本のごとく(剰余権力
科学革命の可能条件―万有引力から考える
増殖する知
経験をまったく信じていないのに……
知の階級的な分布
懐疑と信仰)
第4章 神に見捨てられた世界の叙事詩か?(小説という新奇な文学様式
小説の極限にある役立たない辞典
不可能な告白を通じて―〈主体〉の生成
キリストの不信の回帰
神に見捨てられた世界の叙事詩?
虚構性の勃興
資本主義と連動する小説)
第5章 “その先”へ(科学の言説と小説の言説―無限に対する二つの態度
「資本主義の終焉」の話題でもちきり
プロレタリアートとは何か
交響圏とルール圏
「普遍性」から〈普遍性〉へ
コミュニズムへ)

著作者プロフィール

大澤真幸

( おおさわ・まさち )

大澤真幸(おおさわ・まさち):1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。思想誌『THINKING 「O」』(左右社)主宰。2007年『ナショナリズムの由来』( 講談社)で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』(岩波現代文庫)で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。他の著書に『不可能性の時代』『夢よりも深い覚醒へ』(以上、岩波新書)、『〈自由〉の条件』(講談社文芸文庫)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)、『日本史のなぞ』(朝日新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『〈世界史〉の哲学』シリーズ(講談社)、『増補 虚構の時代の果て』(ちくま学芸文庫)など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』(以上、講談社現代新書)、『資本主義という謎』(NHK出版新書)などがある。

お詫びと訂正

2023年6月28日発行の大澤真幸著『資本主義の〈その先〉へ』第1刷に誤りがありました。下記の通り訂正し、お詫び申し上げます。

15ページ(第4章 目次)「1 小説という新奇な文学様式……216」
【誤】 216
【正】 226

16ページ(第4章 目次)「1-1「小説」とは何か……216」
【誤】 216
【正】 226

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